皆様から届いたご相談から掲載しています。

No.1

Q1.日本国内では狂犬病は発生していないと聞いてますが、うちの犬はちゃんと毎年注射を受けてます。これってほんとに必要な注射なのですか?

A1.必要な注射です。
たしかに昭和32年以降日本国内での発生はありません。しかし今現在お隣の韓国やロシアはもちろんヨーロッパ、アメリカ等でも発生しています。世界広しといえども発症したら100%死亡する感染症は現在エイズと狂犬病だけです。したがって、世界的にはまだまだ脅威なのです。注射まじめに受けてくださいね。

Q2.動物にも糖尿病があると聞きましたが、本当ですか?

A2.たしかに犬と猫には糖尿病があります。草食動物のヤギでも報告はあります。その他の動物については調べてみないとなんともいえません。但し動物の場合は、人間の糖尿病のように食生活が発生に関与することはすくなく、遺伝的要因が大きいようです。

Q3.人間の病院と異なり、病院によって診察料や手術料に差があるようですが、受診に際して、もしも目安になるようなものがありましたら教えて下さい。

A3.基本的には、動物病院での診療は自由診療です。したがってその料金体系については獣医師の裁量によるところが大きいには事実です。
ただ、これはあくまで個人的な見解ですが、スタッフや設備や技術の面で充実しているところはやや高めの料金で、一方獣医師が1名のみで設備等に制限のあるところは安めの料金でやっている感じです。
なお、目安になるかどうかわかりませんが、下記に日本獣医師会の調査にもとづく諸料金の全国平均額を概算で表示しましたので、参考にしてください(単位:円)。
初診料:¥1,400 再診料:¥1.000
猫の去勢手術:¥19,000〜25,000 猫の避妊手術:¥29,000〜36,000
犬の去勢手術:¥25,000〜30,000 犬の避妊手術:¥30,000〜48,000
2種以上の混合ワクチン:¥9,000 通常往診料:¥3,000
犬の1日入院料:¥4.000〜5.500 猫の1日入院料:¥3,500〜5,500

Q4.信頼できる獣医師、あるいは動物病院の見つけ方はありますか?

A4.むずかしい質問です。
現実的な方法としては、@とりあえず、近隣のペットを飼われている方に、どの病院が親切か評判等を尋ねてみる、A実際に受診して、その病院なりスタッフなりの対応を確認するくらいしかありません。
もっとも、飼い主さんと獣医さんの性格や相性もあるでしょうから、もし自分の好みの獣医さんをみつけたら、ペット同様せいぜいかわいがってあげましょう。

Q5.動物病院で診てくれる動物の種類について、具体的に教えてください。

A5.病院によって違うと思います。
日常的に診療しているものは犬、猫、小鳥、ウサギ、ハムスターくらいではないでしょうか。最近は爬虫類やフェレット等の診療にかなり力を入れている病院もあるようですから、受診の際は直接動物病院に電話をして確認したほうがいいかもしれません。

Q6.犬は色盲だといわれてますが、本当ですか?つい最近も盲導犬が信号機をみて安全に横断歩道を渡っているのを見ましたが?
A6.正確な表現ではありません。1991年頃の日本医事新報に掲載された眼科専門医(確か日本医科大学の先生だったと思います)の論文によれば、犬は赤系統の色の認識が不十分ではあるものの、その他の色彩に関してはある程度判別できるようです。霜降りの牛肉やトロの赤みに喜んでいるのは、実は人間だけかもしれませんね。
なお、盲導犬の件ですが、この場合犬は信号機の色ではなく、横断歩道のヒトの動きで渡れるか否かを判断しています。
P.S.最近になって、犬の色彩判別能力に関して麻布大学のT教授が興味深い研究結果を発表しています。詳細は後日のおたのしみとしましょう。

Q7.犬や猫の平均的な寿命はどのくらいですか?ちなみにうちのタマ(日本猫、雄)は平成元年生まれですから12年になります。
Q8.ペットの寿命に関しては正確な統計はおそらくないと思われます。個人的な感触としては、犬猫ともに12から14年くらいではないでしょうか。ただし猫は犬とことなり交通事故等にあう確率が高いので、犬より幾分短い感じもします。
もっとも、病院にくる猫の中には、今年で22年目というツワモノもいますが、あくまで例外的。愛猫のタマも高齢には違いありませんから、これからも大事に飼ってくださいね。

Q8.プレーリードッグを飼っていますが、先日のニュースの中で、ペストに感染したプレーリードッグが発見されたとの報道があり、ちょっと心配です。
A8.プレーリードッグに限らず最近はフェレットやジャンガリアンハムスターなどのエキゾチックアニマルがペットとしてもてはやされています。さまざまな動物と触れ合える今日の社会環境、それはそれですばらしいのですが、これらの小型哺乳類はもともと海外で生息していたもので、輸入などにより国内に病気を持ち込む可能性があります。しかしやみくもに恐れる必要もありません。
普段から衛生的な環境で飼い、時折健康状態をチェック、病気かな?と思ったら、あわてずあせらず近くの動物病院に相談してください。

Q9.6才の犬と8才の猫を飼っていますが、最近ともに口臭がひどくて困っています。効果的な治療方法があったら教えてください。
A9.まず最初に、動物病院に歯石の除去を依頼してください。歯石がもとで口腔内に雑菌が繁殖して悪臭を発している可能性があります。最近はいろいろなお店でペット用ハブラシを扱っているようですから、もし歯磨きが習慣化できるならばさらに良いと思いますが、子犬や子猫のころから慣らしておかないと現実問題としてはちょっと厳しいかな?
なお、口臭といっても悪臭ではなく有機溶媒のような独特のニオイ(アセトン臭)がしたら糖尿病の可能性もあるので要注意!

Q10.うちの愛犬(柴犬、2歳)の肛門付近が切れて出血していますが、もしかして痔でしょうか?本人(本犬かな?)も恥ずかしいらしく、かなり気にしているようですが・・・。
A10.基本的に、動物には痔はありません。そもそも痔はヒトが重力に逆らって4本足の歩行から2本足の歩行に移行したからこそ生じた病態です。
今回の場合、肛門腺というニオイづけの腺が破れて出血していることが考えられます。もちろんヒトにはこれはありませんが、スカンクのおしりのにおい袋を小さくしたものとでもいえば想像できますか?肛門を時計にみたてた場合、肛門腺は4時と8時の方向にありますので、一応位置も確認したほうがよさそうです。肛門腺の破裂を防ぐには、定期的に圧迫して絞るようにしてください。
なお肛門周囲に腫瘍ができ、これがもとで出血したりすることもままありますが、この柴犬はまだまだ若いので、その可能性は低いと思います。

Q11.3歳の雄のアイリッシュセッターですが、最近散歩の途中で意識を失って倒れてしまいます。しばらくするとなんとか起き上がりますが、とても心配です。
A11.フィラリア予防を実施しているのでしょうか?予防をしていなかったり予防が不十分な場合にはフィラリアによる心不全で散歩途中で倒れることがあります。
一方、心臓にトラブルがないときにはてんかんなども考えられます。とくにアイリッシュセッターには先天的な小脳の形成不全があり、てんかんの頻発品種であることを考慮する必要もあります。また、典型的なてんかんでは、発作の直前に急によそよそしくなったり、舌なめずりをしたり独特の行動様式を示すこともあります。
いずれにしましても、動物病院での精査をおすすめします。

Q12.仕事の関係で名古屋から北海道に愛犬、愛猫たちと越してきましたが、新聞報道によれば、北海道にはエキノコッカスというペットやヒトが感染する怖い病気があるとか。予防する方法ありますか?
A12.エキノコッカスは通常キタキツネの小腸に寄生していますが、なにかの機会にキタキツネに触れたり、あるいはその糞便などで汚染された水や生野菜を介してイヌやヒトが感染します。したがって、キタキツネに近づかない、川や湿原の水を飲まない等が予防には有効ですが、イヌには難しいかも。聞くところによれば、最近はキタキツネも人里近くまでやってくるようなので、心配ならば動物病院に検査を依頼してはいかがでしょうか?
なお、エキノコッカス(多包条虫)はきわめて危険な寄生虫であり、旭川市の某動物園はこの寄生虫に侵された雄のローランドゴリラが肝炎で死亡し、事態を重視した自治体の判断で閉園に追いこまれています。

Q13.ボーダーコリー(10歳、オス)の精巣が1,2ケ月くらい前から腫れてきました。健康なときは子供のコブシくらいのサイズでしたが、今ではソフトボールよりも大きく食欲もなく心配です。なお、排尿障害はなく痛みもないようですが・・・。出来たら治療法も教えてください。
A13.まず、精巣に熱感があるかどうか確認してください。熱感がなければ腫瘍の疑いが、逆に熱感があれば精巣炎の可能性があります。今回相談のケースではどうやら痛みを伴うことがないようなので、腫瘍と思われます。個人的にはセルトリ細胞腫のような気がしますが、とりあえず近くの動物病院で病理検査をしてください。治療はその結果次第です。

Q14.ミニシュアダックス(♂:7才8ケ月)を飼っています。最近になって、後ろ足が両方とももつれるようなときがあります。現在は元気も食欲もあるのですが、わずかな段差のあるところでも立ち止まってしまい、腰のあたりに触れると嫌がります。どこかにぶつかった記憶もないのですが・・・?
A14.椎間板ヘルニアの兆候かもしれません。ヘルニアによって腰椎の神経が圧迫を受けると、後ろ足がもつれたり排尿が障害を生じたりと、さまざまな神経症状が出てきます。特にミニチュアダックスは椎間板ヘルニアの好発品種ですから、この疾患の可能性は大きいと判断せざるをえません。
一般に、明らかな麻痺が現れた場合には24時間以内(出来れば12時間以内)に減圧手術をしないと後遺症が残るといわれています。もしもに備えて早急に病院を受診されることをおすすめします。

15.うちの犬(ビーグル:5才5ケ月)が先日7匹もの子犬を生みましたが、そもそも犬は1回のお産で何頭くらい生むものなんでしょう?
A15.正確な統計はないしょうが、平均4から6頭くらいではないでしょうか。ただし、品種によるバラツキもあり、今回相談のビーグルやラブラドールでは1回のお産で平均7から10頭前後生みます。一方プードルやポメラニアンやシーズーでは4頭以下が普通です。
ところで、当院では先ごろウエルシュコーギーが帝王切開で、1回に11頭の子犬を生みました。もちろん犬といえども乳房はこんなにたくさんありませんから、母犬はもちろん飼い主さんも育てるのは大変です!

Q16.愛犬のシーズー犬(♀:2才)は牛肉のタタキを食べると、しばらくして必ず全身を痒がります。動物にもアレルギー疾患ってあるのでしょうか?
A16.もちろん動物にもアレルギー疾患はあります。
原因物質には大きく分けて
(1)アウトドアの花粉等   (2)インドアのハウスダストやノミなど
(3)牛肉や豚肉などの食物 (4)カビなどの胞子
の4つのグループがあります。
全身を痒がる、あるいは脱毛がひどい、血便をするなどの諸症状が認められる場合、アレルギー疾患の可能性がきわめて高いので、その際は動物病院で積極的に原因物質を検索してもらい、アレルゲンを確認しておくと良いでしょう。

Q17.私は子供の頃から動物が好きなので、将来獣医さんになりたいと思います。獣医さんになるためには具体的にはどうすればいいのですか?
A17.とりあえず大学の獣医学部獣医学科あるいは農学部獣医学科に入学してなんとか卒業すればいいと思います。現在国立10校・公立1校・私立5校ありますが、いずれも医学部や歯学部同様6年制一貫教育なのでちょっと長いかな?ただ、ライオンやゾウやコモドオオトカゲの解剖が経験できるし、時折乗馬の練習にやってくる芸能人(ぼくは沢口靖子と握手しました)にも会えちゃいますから結構楽しいですよ。

Q18.競走馬は疾走中に骨折するとほぼ100%安楽死に処せられるそうですが、なぜ治してあげないのですか?安楽死とはあまりにもかわいそうです。
A18.競争馬の場合、骨折のほとんどが、丸い形をした手根骨の粉砕骨折です。したがって骨が細かく砕く散ってしまい、これらをつなぎ合わせることは技術的にかなり困難です。また仮に何とか手術で整復できたとしても、馬は人のように寝て養生できませんし、どうにか寝かせたばあいには今度は床ずれが出来、最悪のケースでは敗血症に移行するかもしれません。競走馬に限らず、生き物に必要以上の苦しみを与えないためには、悲しいけれど安楽死も選択肢のなかに入れておくべきなのかも。(+_+)

Q19.3歳の日本猫(♂)ですが、最近あたまに10円玉くらいのハゲが出来てしまいました。以前私は会社でのストレスが原因で10円ハゲができたことがありますが、この猫も近所のノラ猫のイジメにあってストレスを感じているのでしょうか?
A19.皮膚病は実際に見てみないことにはなんとも言えません。もちろんストレスで毛が抜けることはあります(多くは抜毛)。
今回相談のような10円玉状にまるく毛がぬける状態は、臨床では一般にリングワームと呼ばれ、カビ(いわゆる水虫)の感染に特徴的とされています。
水虫であれば家族にも感染する可能性がありますから、注意が必要ですね。

Q20.1年と8ヶ月になる雌のパピヨンを飼っています。今のところ子犬を生ませる予定はないのですが、将来的には子犬を生ませてみようと考えています。ただ、発情期を迎えると散歩中によその犬がきてうっとおしいので、一時的に発情を抑制するような方法はないのでしょうか?
A20.首の皮下に発情抑制剤(人工的なホルモン物質)のペレットを埋没させておくと1年から1.5年くらいは確実に発情を抑制できます。子犬を生ませたい時期にはこれを外科的に除きます。また、短期的にはホルモン剤の注射も適用できるかも。詳しくは最寄の動物病院にお問い合わせください。