高齢の動物が増えているせいか、これに伴い最近はホルタ-心電計を使用するケースがとても増えています。このホルター心電図検査では、従来の心電図検査が15~20分の短時間で実施されるのに比べて24時間というかなり長時間の検査になりますが、その分異常心電図を欠落なく確実に記録出来、特に深夜から早朝に現れやすい不整脈(犬の不整脈ほとんどはこれに該当)の診断には極めて効果的。写真のりーちゃんのように特製ベストを1日24時間着用するだけでOK!高齢犬で疲れやすい、急に座り込むことがある(失神)、夜になるとふらつく等の症状が気になるときは、この検査オススメです。
ところで現在当院で使用している解析ソフトは最新バージョンであり、そもそもヒトの循環器内科専門医向け。従来の基本的解析機能に加え、なんと記録された心電図から睡眠を3次元でとらえる(グラフで立体的に表現する)という驚くべき機能があります。これはヒトの睡眠時無呼吸症候群の解析過程で開発されたすぐれもの。ソフト開発技術者によれば社運をかけて開発したとか。この機能をはたして犬に活用できるのか否か、そもそも犬に睡眠時無呼吸症候群があるのか否か、う~ん、興味深いところです。