皆様から届いたご相談から掲載しています。
A60.高齢犬ではまれに鼻腔内に腫瘍が発生することがあります。往々にして悪性であることが多いのですが、検査(検体の採取)自体は簡単で犬自身にも負担になりませんから、今後のことを考えたら一度病院を受診されると良いでしょう。
A59.犬では報告はありませんが、イタリアではクロイツフェルトヤコブ病の患者さんの愛猫が異常タンパク質(プリオン)による”狂猫病”ともいべき症状でなくなっています。そもそも狂牛病が羊のプリオン病(スクレイピー)からきていることをかんがえると、種の壁を越えて広がる可能性も皆無ではありません。某食品会社の対応はともかく、今後も食肉には十分注意する必要があるような気がします。
A58.前記同様詳細は保険会社によってまちまちですが、大方の保険では犬猫以外の動物として鳥・ウサギ・フェレットも対象にしているようです。なお、詳細に関しましては個々の保険会社にお問い合わせください。
A57.もちろん加入審査等の基準は保険会社によって異なりますが、5歳11ヵ月までは自己申告のみで加入できるところもあります。今後を考えたら加入しておいたほうが安心かもしれません。
A56.2年前にオ-ストラリア、1年前に米国で発売されて以来、数万に及ぶ犬に実際に使用されていますが、ほとんど事故はないようです。
日本国内での本格的な使用は来年H14年の春からの予定ですが、詳細に関してはかかりつけの先生に相談されると良いでしょう。
追伸:その後、この薬剤には犬種によっては重篤な副作用があることがわかってきました(特に日本犬もしくはそのミックス)。一部で獣医師会単位による自主的な回収も進んでおり、したがって現時点で私はこの薬剤の使用を見合わせております。
A55.もちろん病気の可能性もありますが、うさぎの場合、尿中にポルフィリンや植物由来の色素等が排泄されるため、生理学的に正常(=健康)な時でも赤い尿をすることがあります。単純に尿色だけでは病気の有無は判断が難しいので、出きることなら動物病院を受診されておいたほうが安心でしょう。
A54.動物への針灸治療はBC16世紀の古代中国王朝(夏)までさかのぼることができます。私自身はさほど針灸に詳しいわけではありませんが、獣医関連の学会等で発表を聞くかぎりその有効性に疑問の余地はありません。
またその適応症ですが、犬猫ともに痛みの緩和を目的に施術されることが多く、特に猫の慢性的な口内炎や歯肉炎には著効を示すと言われています。
A53.そもそも生後6ヶ月未満の子犬・子猫はよだれや涙の分泌量が成犬・成猫に比べて多く、また今回のケースでは食欲もあるようなので、さほど心配するには及ばないでしょう。そういえば、私も子供の頃授業中居眠りをして気がつくとよだれが・・・なんてことも多々ありましたが、おそらく子供ならではのことと今では納得しています。
A52.現在市販されている動物薬は人体薬に比べてその種類が圧倒的に少なく、日本国内はもとより獣医療先進国の米国でさえ人体用医薬品を致し方なく動物に適用しているのが現実です。したがって、獣医師から人体薬を動物に処方された際には、
(1)適当な動物薬がなく、人体薬以外に該当疾病の治療が困難であること、
(2)使用する薬剤が該当疾患の治療に有効で、かつ副作用等のないことが確認されていること、
といった諸条件を満たしていると考えていただいて結構です。
A51.猫が毛玉をもどすこと自体けっしてめずらしいことではありませんが、食欲があって吐血や貧血もなければ、しばらく様子を見てもいいのではないでしょうか?しかしながら頻回の嘔吐では愛猫も体力も失いますし、オーナーさん自身も不快でしょう。そこで提案ですが、まず動物病院で必要に応じ胃腸の検査等を実施して、もしも消化器にトラブルがあればまずそのケアを進め、一方異常がなければ今後は一般食から処方食に食事を切り替えてみてはいかがでしょうか?
なお、処方食の使用方法・特性・その他に関しましては、お近くの動物病院にお問い合わせください。
A50.たぶんHillsの医療処方食n/dのことではないでしょうか?これは癌に対する治療を受けている場合において、患者(患犬)に起こっている代謝異常状態の改善に確かに役立っています。ただし膵炎の既往歴のあるものに対しては禁忌です。
A49.本当です。ミツバチといえども法的には家畜です。
ただし、治療の対象というよりは、法定伝染病の発生に備えた摘発もしくは淘汰の対象とみなしているといったほうが正確かもしれません。あくまで養蜂家を守ることが目的となりますから。
A48.ペットもいうなればナマモノですから、意図せずして病弱な子犬や虚弱な猫を購入した場合にはとかくトラブルが発生しやすいものです。そこでアドバイスですが、
1)なにはともあれ元気な個体を選ぶ。
2)肛門の汚れているもの、口腔周囲の汚れているものは
消化器を患っている可能性があるので注意が必要。
3)できれば生後50日齢以降で購入するように心がける。
4)購入後のアフターケアについても、ショップの方と十分
話し合っておければ安心です。
A47.おそらく外耳炎ではないでしょうか?外耳炎自体けっして珍しい疾患ではありませんが、慢性化すると治るまでに時間がかかりますし、なにより臭いがひどくて飼い主さん自身閉口してしまいます。また、原因についても細菌によるものから真菌(カビの仲間)、はては外部寄生虫(ミミヒゼンダニ)までとさまざまですから、一度近医を受診されておくといいでしょう。
A46.ホントの話です。犬のDNAを分析して個体識別や親子鑑定はもとより、さらに遺伝性疾患発現の可能性や生まれる子犬の毛色も予測できます。
ただし、すべての動物病院がこの検査システムを導入しているわけではありませんから、検査を希望される方は事前に問い合わせてみると良いでしょう。
A45.そう、不思議でしょ?
動物は高い場所が苦手のことが多く、通常80%の動物は診察台に載せただけでもだいぶおとなしくなりますので、ご心配には及びません。
また、どうしても興奮しやすい動物には、メジャートランキライザーのような鎮静剤を投与したり、あるいは抗不安作用のあるマイナートランキライザーを併用して動物自身の気持ちと動きを静めてあげます。
ちょっと大げさな対応かもしれませんが、このような処置は動物はもちろんのこと飼い主さんや私たち獣医師の安全を守るためには必要不可欠な処置ですから、担当医からその旨申し出があった際には、すみやかに受け入れてください。
A44.ヘモバルトネラ フェリスという赤血球に寄生する原虫(小さな寄生虫)の感染によって引き起こされる血液疾患です。これにかかった猫は重度の貧血をおこし、ときに黄疸を認めますが、いまだ感染様式を含めて不明な点がある謎のおおい病気です。したがって、具体的な予防方法も確立されていません。
A43.本当です。最近なにかと注目される東洋医学ですが、獣医界では犬に対して漢方薬を適用する先生が多いようです。
ただし大学では特別に漢方を学ぶ講座はありませんから、卒後に改めて学ぶ必要があり、漢方を極めるにはかなりの時間と労力を要するとのことです。
A42.残存乳歯は今後さまざまな口腔のトラブルを引き起こす可能性がありますから、ぜひとも除いたほうがいいでしょう。実際の処置は乳幼児用の歯科エレベーターという特殊な器具を使って慎重におこないますが、処置に先立って全身麻酔が必要ですから、時には入院することもあります。
A41.残念ながら国内には動物専用の血液製剤はありません。したがって輸血が必要な際には個々の動物病院で供血犬を準備したり、あるいは低分子デキストラン製剤を血液代用液として使用します。
ただし、現在米国では犬用人工血液”Oxyglobin”が認可され救急の現場で汎用されています(もっとも、日本国内にもこれを個人輸入して実際に治療に利用している先生もいますがちょっと高額かも!)。