当院を支えている医療機器の一部を紹介します。!
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外科や救急に必要な生体モニターです。
これも汎用機器で、かつ麻酔管理の必需品。
初代が8年前に断線トラブルで壊れてしまい、
これは2代目。
麻酔管理は大学卒業以来ずっと興味を持ち続け
個人的に研鑽を重ねてきた分野であり、
長らくライフワークの一環でした。
飼い主さんにお見せすることはありませんが、
手術の安全性を担保する裏方として、
生体モニターは非常に大切な機器です。
ところで生体モニターには、新型コロナで有名になった
酸素飽和度(SPO2)の測定機能も必ずありますが
この酸素飽和度(SPO2)測定、じつは1970年代、
一人の日本人技術者による発明でした。
その際特許の申請はしなかったらしいのですが、
これってノーベル賞ものの発明じゃないでしょうか。
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913istat.jpg)
ハンディータイプの血液ガス分析装置(2代目)。
血液検査機器の中では使用頻度は必ずしも
多くはありませんが、血液の酸塩基平衡を
確認するには、この機械でしか見れません。
非常に鋭敏な検査系であり、救急医療では
必須の機材。治療に対してもごく短時間で鋭敏に
反応するので、自分の治療介入が正しかったのか、
自己点検する意味においても非常に重要な機器
だと考えています。
もともとはかなり大きな機器なんですが、
据置きタイプは大きすぎるので、
精度の高いハンディータイプを使っています。
ちなみに獣医療の救急で「三種の神器」といえば
1)生体モニター
2)超音波診断機器
3)血液ガス分析装置
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913fujiau10.jpg)
犬猫に多発する内分泌疾患を診断するために
導入された、複数のホルモンや微量蛋白を
短時間で測定する機器。
ヒト以上に甲状腺疾患や副腎の疾患、CPSSが
多発する獣医療の世界では、ベッドサイドでの
迅速診断が不可欠。
猫の急性相蛋白(SAA)も測定可能であり、
猫の日常診療には欠かせないと感じています。
ちなみに猫のSAA,犬のCRPなど、動物の分野に
おける急性相蛋白の研究・測定技術では、
日本は世界のトップランナーです。
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913drychemnx7000.jpg)
一度に5つの検体を設定できる最新の生化学装置。
緊急時の割り込み検査もスムーズにこなす優れモノ。
今までの機器は一度に1つだったので、苦労しました。
この機器を製造している富士フイルムの技術力は
本当にすごいと思います。
汎用機器のひとつで酷使されるため、これも今回3代目。
検査中もカバーを開けて内部の動きが観察出来て、
見ているだけでも楽しい機器です。
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913covidien.jpg)
完全無欠ならぬ完全無血の手術を可能にする
COVIDIEN社製の手術機器。
電気メスの機能に加えて、デバイスも豊富、
そして導入目的のひとつ、シーリング機能
(直径7㎜までの血管なら組織コラーゲンで
ごく短時間に閉じて切離する)を有しています。
結果、手術侵襲による出血は最小限に抑制。
獣医師にとって、小さな動物を対象とする手術は、
出血量の少ないだけでも安心感が違います。
もともとはヒトのラパロ(腹腔鏡)手術用として
開発・設計されているものですが、
この高い技術性能は、間違いなく
当院の手術の安全性に一役買っています。
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913olympus.jpg)
Olympus製の動物用消化管内視鏡。
異物摘出はもちろん、組織生検にも大活躍!
エックス線やCTやMRIといった画像は
基本的にモノクロの世界なのですが、
内視鏡の世界はカラーなので見応えがあり、
生体内は本当に感動的です。
ちなみに動物はヒトよりも食道が長いぶん、
動物用内視鏡もこれに合わせて長め。
たしかに長いけど、画面が大きく見易いせいでしょうか、
操作性もよく、慣れるとその長さを感じさせません。
内視鏡を考えた人は本当に偉いと思います。
動物用内視鏡で最も長いのは同シリーズの
馬用もしくは海獣(イルカ)用の3m。
![](https://animal-k.com/wp-content/uploads/2023/08/20220913arietta.jpg)
当院開業から数えて3代目の超音波診断装置です。
2022年3月から運用していますが、今回は
総合病院の中央検査室などに選択されることの多い、
高級機種アリエッタ750(術中プローブを含む4本)
を導入しました。
循環器から腹部臓器、眼科、整形に至るまで多機能対応、
また画像の美しさが際立っており、私のお気に入り。
ヒトとは異なり、動物ではエコーは患者さんの協力を得られる
ことが少なくて、獣医師にとってもストレスの多い検査ですが、
一瞬であってもきれいな画像を保存できたり、あるいは
短時間でデータ収集ができる本機はありがたい存在。
ちなみにアリエッタとはイタリア語でそよ風の意味ですが、
一方オペラやカンタータの中で歌われる独唱(小曲)のこと
でもあるみたい。
音響技術を応用した医療機器、即ち超音波診断機器に
このネーミング、とってもいいですね。