きょうはトイプードルのペーター(♂、1才4ケ月齢)がやってきた。飼い主さんいわく、「数ヶ月前から歩き方がヘンだったけど、様子をみてきた」とのこと。診察台で後肢をみると、なんと典型的なエックス脚(=つま先の外転)です。案の定、触診では膝蓋骨(=ひざの関節の皿状の骨)の外側への恒久的な脱臼が確認されました。
一般に小型犬では膝蓋骨は内側に脱臼することが多く(90%)、外側への脱臼はまれ(10%)。ただ、内側への脱臼であろうが、外側への脱臼であろうが、放置しておくと膝だけの問題では済まず、まず間違いなく肢全体に力学的な歪み(=肢の変形、すなわちアライアメントの異常)を生じます。ほんとうは異常に気付いた早い段階で手術による矯正がベストなんですが・・・。
ここまできた以上獣医師としてベストを尽くすのみ。ペーター君、必ず治してあげよう!