続き
途中のPAで再度情報を得ながら
渋川伊香保ICで高速を降り、そこからは下道を通って
何とか吾妻峡の手前までたどり着きました。
しかし!
土砂崩れの危険があるため
その先は全車両通行禁止。
ガーン・・。
折角ここまで来たのに・・
とてつもない徒労感に襲われました。
だってラジオ(NHK群馬)では何にも言ってなかったし、
途中の道路情報にも出ていなかったのに・・。
地図を見ながら考えました。
「暮坂峠はどうだろう?」
中之条まで戻って
県道234→県道55、沢渡経由でなんとか峠を越えられないものか。
今考えたら、これって悪あがき以外の何物でもないのですが。
さっさと近くの温泉にでも泊まって、
嵐が過ぎるのを待てば良かったんです。
でもその時はなんとか帰りたい一心でした。
どんどん風雨が強まるなか、暮坂峠目指して走る走るひた走る。
対向車にもほとんど出遭いません。
道沿いの民家は皆雨戸を固く閉ざし、人がいるのかいないのか、
一筋の明かりだって漏れてきません。
心細い思いでひたすらクルマを走らせるワタクシ。
中之条のコンビニで食料を確保し、
まだまだ旅は続きます。
ここを出てからは
まったくヒトの気配が感じられない世界になってしまいました。
クルマは1台だって走ってないし、ニャンコの1匹だっていません。
昔観た映画のよう。
この世界には自分ひとり。たった一人生き残った感じ。
(日本沈没だったかな)
後にも先にもこの時ほど心細い思いをしたことはありません。
ここまでして目指した暮坂峠なのに・・
裏切られました(泣)。
まあ峠にしてみたら「何も約束してないよ」って言うでしょうけど。
どうしよう。
行ったり来たりでホトホト疲れました。
このままクルマで寝ようかなぁ。
でも強い風雨の中、明かりがひとつもない峠で夜を明かすのは、
あまりに恐ろしい。
途中の沢渡温泉はまったくヒトの気配がなかったので、
多分宿も閉めているだろうし、
仕方ない、渋川か高崎まで戻ろうか・・。
昼に東京を出てからほとんど走り通し。
時計を見ると夜の8時です。
疲れた・・。
たったひとつだけ覚えていた高崎のホテル、メトロポリタン。
104で番号を尋ね、空きを確認すると
夜間のチェックインもOKとのこと。
JR高崎駅のすぐ上だし、斜め向かいには高島屋もあるし。
ヒトが恋しい、明かりが恋しい。
最後の気力を振り絞り、ようやく高崎まで戻りチェックイン。
あー、おウチに帰りたいよぉ。
よく知らないホテルの一室で
不安な一夜を過ごしました。
(続く)