最近ユッケやだんごによる食中毒が騒がれています。
おそらくほとんどの人は知らないと思いますが、じつは獣医師は食品衛生や食中毒の専門家でもあります。

食肉処理場で解体された家畜の病気を発見したり、また病気ならばどこまで切除すべきか(=どこまで削れば食べられるのか)、あるいは内臓も含めて全て廃棄すべき状況なのか、包括的な判断はすべて検査責任者である獣医師の判断に任せられています。

現状を把握しているだけに、大学時代は病理や公衆衛生の先生方には「獣医師たるもの、レバー刺しなんて絶対食べてはいけません!」、としつこく言われました。レバーが刺身で食べられるほどの衛生環境で処理されてはいないことを先生方は熟知していたんですね。
レバーほどでなくとも、ユッケも衛生的な扱いがなされていなかったということでしょう。

ところで今回の事件とは直接関係ありませんが、レアで心おききなく牛肉が食べられるのは、おそらく日本を含む限られた国のみ。海外の牛肉には日本には存在しない特別な条虫2種が寄生していることが多く、レアでは危険です。

おいしいステーキ、国内ではレアでも海外ではウェルダンで頂きましょう。