私が毎年正月に必ず読み返す本があります。その名は「聖の青春」。将棋界の最高峰A級に在籍しながら、病のため名人位まで達することが出来ずに亡くなられた不遇の棋士(村山聖9段、享年29)の話です。言葉にすると月並みな表現にしかなりませんが、命の大切さ、命の重さ、運命への慟哭、人生のはかなさ等をしみじみと感じさせてくれる一冊です。
数年前にマスコミにも取り上げられてご存知の方も多いと思いますが、この本には何回読み返しても心に響くものがあります。年間の自殺者が3万人超という現代においてこそ多くの方に読んでいただきたい、なんて思うのは私のお節介でしょうか。