今日はミニチュアダックスのヒメちゃん(7歳)がやってきた。飼い主さんいわく、「数日間下痢をわずらっていたが元気もあり食欲もあったので様子をみていたら、なんと今朝赤い塊がお尻からぶら下がっている」とのこと。かなり焦っている感じです。

さっそくお尻を確認すると、15cmにわたり直腸が脱出しています。あたかも大きなウインナーをぶら下げている状態。これはいけませんね、直腸脱です。しぶりを伴う頑固な下痢をに対して適切な治療をしなかったために、これに継発したと思われます。

一般に、直腸脱は脱出した粘膜の状態がよければ肛門からの直接的な整復を試みますが、今回すでに腸管は引きずられたことにより広範な出血と壊死を生じ、手術の適用しかありません。

飼い主さんの承諾を得て、急遽手術になりました。ダメージを受けて壊死した組織を除き、止血処置を施しながら同時に新鮮な粘膜同士を腸管に沿って360度緻密に縫合していく・・・私は細かな手作業が好きなのでこの手の手術には絶対の自信がありますが、やっぱりワンコはかわいそう。
みなさん、下痢や便秘といえども侮る事なかれ、長引けば時には直腸脱になることがありますから。