今日は神経病の学術講習会に行きました。神経病といっても範囲が広いのですが、今日のテーマはずばり「てんかん発作の全て・てんかんを極める」です。講師はそのスジの世界的権威デニス・オブライアン(米国ミズーリ州立大学教授)。数年前にもこの先生の講演を聴いた事がありましたが、この数年でだいぶてんかんの仕組みがわかってきたようですが、それにはMRIのような先進的な医療技術がそのけん引役を為したようです。

その一方で、治療薬そのものには大きな変化はありません。ただ、何種類かの新薬は頑固な特発性(=原因不明)てんかん発作にかなり有望といわれ、やがて国内でも発売の見通しとか。

そうはいってもこの新薬、コストがネックとなってはたして普及するか疑問視する向きもかなり多いみたい。ちなみに米国では1カ月の薬代が約30万円という価格になる見通し。さすがにこのところの金融危機もあってか、高価な新薬の普及にはデニス・オブライアン先生といえども極めて懐疑的でした。

ところで最近学会に行くとシラバス巻末に優良情報サイトが掲載されています。これは私たち獣医師が飼い主さんからインターネット上の情報サイトの相談をされた際に「信用できる医療情報サイトはここですよ!」と示せるように用意されたもの。

米国では、近年飼い主さんが誤った情報をインターネットで得て、大学病院等とトラブルになることが多く、その対策として優良医療情報の提供サイトを有識者(各科の権威)が選定、飼い主さん側に示すということが広がりつつあるという。
逆に考えれば、いかに多くの誤った情報がネット上に氾濫しているか、ということにもなります。

日本でもこのようなことがないように、米国人講師は親切心をこめて学会時には紹介してくれるというワケ。今のところ英語サイトしかありませんが、必要な方には当院でもいつでも提供します。くれぐれも誤った情報に振り回されないで下さい。