「腹を割って話をする」、という表現がありますが、私は職業柄ワンコやニャンコやウサギちゃんの腹を割る(=手術による開腹)ことは、ほとんど生活の一部になっています。
腹を割ると、当然ことながら、いろいろなものが直接観察できて納得できると同時に、また気になる点も見つけてしまうのですが、ここ最近2~3年で一番気になることは、異常なまでに内臓脂肪の多い動物が確実に増えたこと。
動物の場合、現段階で明確なメタボリックシンドロームの診断基準があるわけではないので科学的な根拠に乏しいものの、個人的には「これってどうなの? 寿命を縮めちゃうんじゃないかな~」と思うほどの状態も結構あります。
もちろん適度な脂肪は必要ですが、過剰な脂肪は動物の体に悪い以上に、手術をする側(=獣医師)泣かせの存在でもあります。
なぜなら内臓脂肪過多の動物では、手術に際し患部の切除をする前にまず周囲の脂肪を除く、あるいは目的の臓器に達する前に脂肪を処理する、といった余分な作業が必要になりますし、時には血管をけっさつするための糸を持った獣医師の手が脂で滑るといった思わぬリスクも生じますから。
最近は私自身、適度な運動を心がけてダイエットに励んでいます。これは健康に留意する、というよりは、手術のたびに過剰なまでの脂肪を見せられているせいかもしれません。