お昼すぎにランちゃん(G.シェパード、♀)の往診に行ってきました。ランちゃんワクチン接種なので今日も元気そのもの、庭先でゴキゲンよろしく遊んでいましたが、なんと隣には同じくらいの大きさでゴロっと横たわっている巨体が!
よくよく近寄ってみると、ミニブタ(=華ちゃん、♀)でした。これが実に可愛い顔をしているのです。ああ、ブタをみるのは久しぶりだなあ、大学以来かもしれない・・・、などと感慨にふけっていると、妙に懐かしさがこみ上げて来た。
私の母校では内科学講座が専攻内容で3つ(内科Ⅰ・内科Ⅱ・内科Ⅲ)に分かれていましたが、内科第1はブタさん専門。当時ブタの内科実習を仕切っていたのは名物先生のM助教授。通称トニーちゃん。なぜか本名の「M先生!」と呼ばれる事をよしとせず、常に学生に対して「俺のことはトニーと呼んでくれ!」と言い続け、結局通称のほうが定着した次第。常にダブルのスーツに身をつつみ、愛用のサングラスに幌つきのジープで通勤、一歩間違えるとその筋の人かと見間違えるほどの堂々たる体格。よく言えばショーン・コネリー、悪く言えば金正日の元料理人藤本某(=最近吉本の芸人になった)といった風貌。
トニ-先生は通常の医療技術に加えて、色々とマニアックな技術を誇っていたので、大変人気がありました。例えば子豚の採血。通常の静脈からの採血方法に加え、目の網膜の静脈からの採血。また、暴れるブタに対して、薬剤は使用せずマッサージだけで鎮静効果を得る方法などなど。
これは反響が大きく、なぜか当時のTV局の知るところとなり、渡辺徹が司会をつとめる人気動物番組で紹介され、実際に「ブタに催眠術をかける」ということで出演されていました。
トニー先生、TVに出演した事もあって学内ではやや異端視されていたようですが、今にして思えば、とかく犬や猫の臨床に向かいがちな学生の目を、ブタの臨床に向けさせる為の効果はあったのかな~、などと想像しています。なにせ楽しい授業でした。