急性胃拡張・捻転症候群 その①

夜グレートデンの飼い主さんから電話がありました。夜といっても午前の1時、しかも連夜の緊急で私自身がドロドロに疲れきっており体調も万全でないので、もしも当院のかかりつけでなければお断りするつもりでしたが、いつも診ているワンコなので、ここは責任をもって対応しないわけにはいきません。

飼い主さんの電話口での主訴によれば、どうやら急性胃拡張・捻転症候群(GDV)とみてほぼ間違いなさそう。実際診察してみると、予想通り典型的なGDV。しかも80kgの巨体。まいったな、こりゃ。明らかにボクより大きいじゃないか!なんとか診察室までは飼い主さんの協力もあって運んでみたものの、処置室まで運べないので、手術以外の処置はすべて診察室で行なう事にしました。

さっそく診察室内で胃に経口カテーテルを通してガスや胃内容物を除きましたが、それでも減圧が不十分なので、脇腹から直接胃に太い針(トウカン針)を一気に穿刺、ピューピューと音を立てて胃内のガスが勢いよく抜け、ようやく容態が安定しました。以降当初見られた呼吸抑制や異常な心電図(心室性不整脈や心房細動)も消失、まずは手術に耐えられるまでに回復させることに成功!でもこれで終わりじゃありません。前半戦なんとか持ちこたえたに過ぎず、これからの後半戦がすべてなのだ。時計を見たら午前5時を回って、夜が明けていた。夏の夜更けは早いなあ!