小鳥の診療・・・その①
今日はセキセインコのスピーチちゃん(♂・1才半)がやってきた。最近ろう膜(くちばしの根元のお肉の盛り上がったところ)の色が変わってきて心配とのこと。

セキセインコの場合、ろう膜の色で性別を判定しますが、スピーチちゃんは♂なので、もともとキレイな青色でした。
ところがここ1カ月で青が薄くなり、かなり肌色に近い状態。

困りましたね、これは。
セキセインコの場合に限っては、オスのろう膜の変化は明らかに内分泌疾患の兆候。その原因のほとんどは精巣の腫瘍化。

腫大化した精巣はレントゲンで確認できますが、痩せている子の場合、強い光源でお腹を透かすことでも確認できます。

スピーチちゃんの場合、かなり腹部も大きくなっており、およそ触診でも診断がつくレベル。

ここまでいくと、治療はかなり難しい。(>_<) 根治を望むなら手術ですが、小型の鳥類は麻酔が非常に困難。結局内科的な治療で対応せざるを得ないのが現実。 それにしても最近このような症例を多く診ます。個人的な感想ですが、なんらかの環境因子(化学物質?)を考えざるを得ない。とっても不安です。