軽井沢も日中30度を越える暑い日が続いています。
こうなると途端に増えるのがワンコの外耳炎です。
以前はワンコの外耳炎といえば、アメリカンコッカーなどに代表される「好発犬種」がある程度限られていましたが、なぜか最近は犬種による偏りは少なく、むしろあらゆる犬種に満遍なく発生している感じ。
犬種にかかわらず、私たちの想像以上のレベルでワンコの体内では免疫力の低下が生じているのかもしれません。だとしたら状況は深刻です。
一方、以前は臨床症状から、外耳炎の原因となる細菌や真菌(酵母様菌)を推定できることも多く、治療に際し抗菌剤の選択で迷うことは少なかったのですが、最近は多くの抗菌剤に抵抗を示す細菌がとても増えてきました(多剤耐性菌)。
実際、薬剤感受性試験で「有効な抗生剤」を探そうにも、「あらゆる抗菌剤に完全な抵抗性をもつ細菌(=有効な抗生剤が無い!)」も珍しくありません。
このような耐性菌の存在は以前から知られていましたし、特定の抗生剤とこれに対する耐性菌の出現はいわば「永遠のイタチゴッコ」といえなくもないのですが、この急速な広がりを考えると、こちらも深刻!
外耳炎といえどもより慎重に治療する必要がありそうです。