みなさん、「NT-proBNP」ってご存知ですか?訳すと”脳性ナトリウム利尿ペプチド”という心室由来のホルモン様物質であり、血液中のこれを調べる事でごく初期の心不全を見つけることが出来ます。なぜ脳性というかといえば、1988年世界で最初に見つかった場所が豚の脳であったことに由来しており、しかもその当時はこれが心臓由来であることは誰にも分からなかったため。今まで欧米を中心に獣医師向けの文献などで注目されていましたが、とうとうこの検査が国内でワンコでも可能になりました。
従来心機能の検査といえば聴診に加えレントゲンやエコー、ECG、ホルターといったところが一般的でしたが、この検査の優れている点は、患者への負担が少ない上に末梢の血液検査で心不全の程度をかなり初期の段階から正確に予測できることです。今後中年~高齢犬の健康診断(スクリーニング検査)として普及していくものと思われます。
ちなみに当院での検査第一号は看板犬のりーちゃんでした。