とうとうPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を応用した感染症の診断技術vが獣医療界にも導入されました。これを利用する事で、例えば消化器症状を呈している犬に対して、パルボウイルスワクチンによる抗体上昇なのか、パルボの野外株による本当の意味での感染なのか、はたまた今まで診断の難しかった血液に住む原虫のDNAを血液中から高感度に増幅して検出、確定診断を下す、といったことが容易になります。
このPCRはひとりの米国人天才化学者マリス博士によって80年代に開発され、93年のノーベル医学生理学賞の栄誉に輝いた革命的なもの。

現在マリス博士は分子生物学の世界では20世紀最大の功労者といわれていますが、かなりの変人としても有名。プロ顔負けの伝説のサーファーにして若い頃はLSDによるトリップの熱烈なファン、ノーベル賞を受賞したPCRもなんと恋人とのドライブ中にそのアイデアがひらめいたとか。しかもストックホルムでの受賞式には妻と愛人(恋人?)も駆けつけたツワモノ。これぞMad scientist!
やるなあ、マリス博士。