今日はワクチン接種の予定通りポメラニアンのアリスちゃん(♀、12歳)がやってきた。朝の散歩の途中でなぜか突然歩けなくなってしまい、そのまま病院に連れてきたとのこと。かなり体調が悪く立っていられない様子、ん?と思いつつ心電図を確認すると、危険な致死性不整脈(=心房細動)が現れているじゃありませんか!すぐに除細動が必要です。
処置室内にある除細動器でカウンターショックを2回与えましたがいまいち反応が鈍く不安定、それでもあきらめきれずに神様に祈りつつ3回目トライすると見事に除細動に成功、心電図上で完全なリカバリーが確認され、その後はこちらの期待通り順調に回復、一安心です。
この除細動器めったに使わない機器だけど、こんな時はあってよかったと心底思います。しかしめったに使わない機器だけに、医療機器業者によれば動物病院では普及率はまだまだ低いとか。心房細動や心室粗動の治療にはカウンターショック以外に確実な治療法がないだけに、これだけはもっともっと普及して欲しいなあ・・・。

ところで最近は空港や大都市の駅、大きなスタジアムにもこの除細動器が箱に入って設置されていますが、皆さんご存知ですか?ハートのマークのついたあの赤い箱(AEDと表記)です。そういえば最近は映画やドラマ(救急救命ER)などでもよく見かけますよね。