<露天の注射 その②>
今日も軽井沢町の狂犬病予防集合注射に行ってきました。4連チャンです。午前中はわりといい天気でしたが、業務終了間際の午後2時20分、突然の雷鳴・雷雲とともに直径10mmくらいのヒョウが降ってきた。役場車庫が会場だったため業務に大きな支障はなかったものの、予定頭数を大きく下回る結果になりました。当然ですね。露天で注射をしている現状では獣医師もスタッフも避難せざるを得ず、無理はできません。その後のニュース報道によれば、このヒョウは県内各所に甚大な農産物被害をもたらしたようです。。
ところで”露天で予防注射”というシステムは、戦後まもなく進駐軍(GHQ)が国内で猛威をふるう狂犬病を制圧するために推進したものらしい。当初は動物病院へ各々が愛犬を連れていって接種させる計画だったようですが、当時国内には現在のような動物病院が存在せず、苦肉の策として立案・実施されたものが”露天の集合注射”という形で、これが現在まで連綿と継承されているらしい。
ただし、じつのところ天候によらず露天での接種頭数は減少傾向にあります。人気がないんです。その大きな理由は、動物愛護思想の普及とあいまって、動物病院で接種する飼い主さんが激増しているためです。東京都特別区の中にはもう10年も前から”露天での接種”をやめてしまった(近隣の動物病院で行くように指導)ところもあります。
コトバではうまく表現できませんが、たしかに”露天での予防注射”には「昭和の遺物」とも言うべき”何ともいえない空気”が流れてるんです。