今日は紀州犬のケンちゃん(3歳:♂)がやってきた。ケンちゃんはけっこう暴れん坊で、一旦興奮すると飼い主さんに対しても威嚇行為をとることがありましたが、とうとう家族の方を咬んでしまいました。そこで今回はこれからのことを考えて、最も危険な犬歯を上下あわせて4つ適度な長さに切断することになりました。ケンちゃん約1年前に去勢手術を受けているにもかかわらず、また同時期に訓練士の矯正を受けているのにもかかわらず咬み癖は一向に治らなかったようで、飼い主さんとしても今回は苦渋の選択。
個人的にはカワイそうな気もするけど、今後他人を咬んだらもっと大変、今回の決定は当然かもしれない。そこで麻酔下にて歯科用エンジンを用い犬歯を半分以下に切断、生活歯髄に処置を施したのちボンディング&光重合性コンポジットレジンで不便のないように形を整えてみた。このような過程を経て咬まれてもダメージを最小限に抑え、かつ日常生活に不便を感じないと思われる犬歯が完成。
たまたまレーザーメスの修理に来ていた医療機器業者が横目でこの光景を覗いて、「先生、あいかわらずマニアックなことしてますね!私の知る限り動物病院でレジン用の照射器を用意しているところは全国でも1%くらいです。」なんだか、ケナされているのか褒められているのかわけのわかんないコメント。こんな私ってマニアックなのか?