今日は日本猫のゴンタ君(♂、9歳)が検診にやってきた。ゴンタ君は現在糖尿病をわずらっており、自宅で飼い主さんに注射をしてもらっています。というわけで、今日はゴンタ君の検診日。 ヒトの糖尿病はいまや国民病といわれるほどメジャーな疾患ですが、一方猫の糖尿病は犬に比べて少ないけど、それでも近年よく診る疾患です。獣医学的には、高齢・雄猫(♂)・肥満が3大発生要因とみなされています。 ところでこの猫の糖尿病は不思議なことに、インシュリンによる治療を開始してから数ヶ月で寛解することがあります。早い話がインシュリン投与が不要になるんです(=猫の一過性糖尿病)。こんなことって、ヒトや犬ではありえない! なぜ猫でこのようなことが生じるのか、実はよくわかっていません。ただ、このまま治ってしまう猫がいる一方で、数年後に再発する猫もいて、その詳しいメカニズムは現在学会でも諸説入り乱れており、統一した見解はありません。 ネコ科の動物は生理機能がヒトや犬とはかなり異なるので、なにかまだ未知の機序が存在するのでしょう。