山崎豊子の最新刊「作家の使命、戦後の私」を読んでいたら、かつて愛犬を事故で亡くされたことがエッセーに描かれていました。お話そのものは昭和30年代後半、まだ動物病院が全国的にもかなり少なかったころの出来事です。
動物病院が少ない頃・・・とは言っても、そこは大阪、国内第二の大都市ですから、すでに近隣に動物病院が複数あって、かかりつけの先生はK獣医科病院のK先生だっという。
驚きました。K先生、今ではこの業界で知らない人はいない超有名人ですが、すでにその当時から辣腕をふるわれていたんですね。エッセーそのものはちょっと悲しい話ですが、最後に発せられたK先生の言葉に救われました。私とは親と子ほどの年の差もあってもちろん面識はないけど、さすがK先生だと感心しました。
ところでこのK先生がなかなかのアイデアマンで、自身でさまざまな医療器具を開発して特許も取得されています。私の記憶が正しければ、たしか獣医療発明学会の役員もされていたような気がします。
このような「個性的でユニークな先生は、なぜか関西から西日本にかけて多い。一言で獣医師といっても、結構地域性があるのだ。