当世開業事情 ②
最近特に増えているのが、テナント形態の開業。不況下では病院併用住宅に比べて初期投資額の少ないテナント開業が人気みたい。開業支援コンサルタントも「仕事場と住居が分離されているぶんプライベートな生活が保障されます!」みたいな勧め方をすると聞いたことがあるけど、これって本当にメリットだろうか?

そもそも動物病院には病状の重い軽いは別にして、つねに入院動物がいます。入院動物がいる以上、病状の悪化・急変や事故防止に備えて、最低ひとりは当直が必要になります。この場合病院と住居が一体であれば、院長が夜も巡回もしくは回診を繰り返せば、まず動物の安全を確保できます。

ところがテナントで夜間無人となるとこうはいかないし、愛犬なり愛猫なりを入院させた飼い主さんの不安も尽きないと思う。もちろんテナントであっても複数の獣医師が当番制でコトにあたっていればなんら問題はないでしょうが、現在国内の動物病院の70%は獣医師ひとりの病院ですし、また獣医師ひとりのテナント開業も多いと聞きます。

善意に解釈すれば、重症患者のいる時はテナントといえども泊り込みで24時間対応しているんだろうということになりますが、はたして実態は・・・深刻なトラブルが生じやすいという話です(これ以上詳しくは書けないけど・・・)。

というわけで、あくまで私見ですが、動物病院は仕事場と住居が一体であるからこそ、24時間の手厚い看護が可能ですし、あるいは夜中の急患受け入れにも対応できるのだと思う。一部のコンサルタントの強調する「職・住分離のメリット」は、臨床獣医の立場から見たらむしろデメリットと言えなくもない。

たとえ病院でなくペットホテルであっても、夜間無人になる施設には、私は愛犬を預けることは出来ないと感じています。