獣医学界最大のミステリー?

今日は猫のぶー太郎がやって来た。
ぶー太郎は7歳になるにゃんこで
甲状腺機能亢進症を患っています。

ところで
「猫の甲状腺機能亢進症」という病気、
非常に新しい病気と言われています。
実際1979年に論文報告があって、
その後1980年を境に急増した疾患です。

なぜそんなことが言えるかというと、
過去100年間ぐらいの猫の剖検組織を
くまなく検索して、徹底的に調べなおした
研究者がいるんです(すごい根気!)。

そして、
確かに1979年以前の100年間にはない疾患
であることが、学術的に証明されました。
いまではこれが世界の常識。

私がこの事実を知ったのは、内分泌疾患の
第一人者、M教授(東大)のセミナーでしたが、
当時も今も、その原因は全く不明のまま。

不思議な話ですよね。
1979年、猫の世界に何が起こったの?

たかだか30~40年で猫の身体機能に
遺伝的な変化が生じることは考えにくく、
現状、誰もが環境説を唱えているようです。

環境が原因であるにしても、具体的に水なのか、
フードなのか、土壌なのか、化学物質汚染なのか、
まったく分かっていません。

ちなみに日本での猫の8歳以上の有病率が3%、
欧米(特に米国)での有病率が15%です。
けっこう地域性も大きな疾患なんです。

甲状腺疾患はこれ以外にも不審、不明な点が多く、
知れば知るほど、実にミステリアスな疾患です。

私が生きている間にこの謎は解明されるのでしょうか?