溶ける石と溶けない石

今日は8歳のマルチーズ(♀)のフルールちゃんがやってきた。
先日の検査で膀胱に結石が4個ほどあることがわかっています。

ところで膀胱結石のわんこ・にゃんこを診る際に、
獣医師が最もこだわる点はその石の組成。

エコー画像やレントゲン画像で形態を確認した上で、
尿のpHを調べ、食事内容を知ることが出来れば
組成(=結石の種類)はほぼ推定可能。

犬と猫の2大膀胱結石は、今も昔も
●ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)と
●シュウ酸カルシウム。
上記2つで膀胱結石症例全体の75%を占めます。

この2つの結石はとても対照的な性格で、
ストラバイトはアルカリ尿で生成されやすく
食事で溶かすことができる結石であり、
外科的な摘出はもちろんのこと、
内科的な治療、すなわち食事による溶解が可能。
一方、シュウ酸Caは酸性~弱酸性尿でできやすく
絶対に溶けない結石の代表選手。
内科療法は一切通用しません。
すなわち治療は外科的摘出のみ。

かつて「結石といえばストラバイト」というほど多く、
フードメーカーがストラバイト対策に走りすぎ、
今ではストラバイト結石は減りましたが、
逆にシュウ酸Caは増えている状況。

というわけでシュウ酸Caはちょっと厄介な石です。
シュウ酸Caは厳密な意味で生体内でどのように形成
されるのか解明されておらず、未解決な部分を含んでいます。

食事に含まれるシュウ酸が体内でカルシウムと結合すると
主張する外因説と、食事とは関係なく体内でシュウ酸が
合成されて、これがカルシウムと結合するという内因説。
いずれが正しいのか、研究者の間でも見解が一致しません。
完璧な予防方法は存在しない、ということになりますね。
謎の多い結石といわれるゆえんです。

ところでフルールちゃんのケースは、シュウ酸Caの可能性が
高いので、今後は外科的な処置が必要かもしれない・・・。