今日は5ヶ月齢のミニチュアピンシャーのさくらちゃん(♀、1kg)の手術日です。
おてんばさんのさくらちゃんは、玄関先のシューズ
クロークから飛び降りて左の前肢、トウ骨と尺骨を折ってしまいました。

さくらちゃんは小型犬の仔犬ですから、折れた骨の直径はわずかφ3mm程度しかありません。この手の非常に細い骨は単純な外部からのギブス固定だけでは絶対癒合しませんから、手術で骨折端同士をきっちり着ける必要があります。

というわけで、本日の手術では、おそらく臨床家が扱う整形外科機材のうち、最も小さなプレートとスクリューを用いることになりました(下の画像、ボールペンとの比較)。

スクリューは直径φ1.5mm長さ6mm、一方プレートは幅4mm長さ19mm。
この手の手術は細かな作業が連くうえ、ドリルの場所ひとつ誤っただけで修正が利かず失敗ですから緊張の連続です。

- 正確に位置を決めるとφ1.1mmのドリルで下穴を開けて、さらにφ1.5mmでタップを切る、デプスゲージで深さを確認後適合するスクリューで固定していく -

こんなややこしい作業の繰り返しですが、人間の適応力とはふしぎですね、最初こそ小さすぎてやや戸惑うものの、毎度のことですが、のってくると小さいことなんか、全く苦にならなくなってしまいます。
極端な話、1.5mmの穴が3mmくらいの大きな穴に見えてくるから不思議です。