TVドラマ「獣医ドリトル」の影響で獣医師という職業が注目されるようになったせいか、老若男女を問わず、いろんな質問を受けるようになりました。そこでよく受ける質問をあげて、ここにまとめて回答いたします。

Q1.ハムスターの手術って本当にあるの?

A1.はい、あります。さすがに子宮蓄膿症での開腹は通常はありませんが、体表にできた腫瘍を取り除くような外科手術は日常茶飯事。けっして珍しい光景ではありません。
ちなみに哺乳動物でもっとも腫瘍化しにくい組織はヒトの細胞であり、一方最も腫瘍化(→ガン化)しやすい組織はマウスの細胞といわれています。

Q2.ドラマの中で、「日本の獣医療は欧米に比べて10年遅れている!」といわれていますが、本当にそんなに遅れているのでしょうか?

A2.確かに制度としては欧米のほうが専門医制度も確立されており、獣医師に対する社会の受け皿もしっかりしています。ただし、社会的な地位と医療技術の秀逸さとは本来別物。

確かに世界的な権威となると欧米に分があるけど、平均的な獣医療は欧米と比べてもさほど遜色はないと思う。

Q3.小栗旬扮するドリトル(=鳥取先生)のモデルとなった獣医師は実在しますか?

A3.残念ながら実在しませんね。居たらおもしろいけど。ただ、あそこまでハチャメチャでなくても、獣医界にはかなり個性的な人間が多いのは事実。とくに公務員獣医師ならいざしらず、臨床家は自分の腕一本で生き抜いているという自覚の人が結構います。よく言えば自主独立、悪く言えば一匹狼ってとこですかね。

もっとも、成宮君扮するところの花菱先生には明らかにモデルが存在します。獣医師ならだれでも知っている彼、以前はマスコミにもよく登場してフェラーリをぶん回していました。

彼がこの世界でがぜん注目されたのは、もう10年くらい前の文芸春秋の特集「21世紀に活躍が期待される日本人ベスト100人」の一人に選ばれた時。当時政財界から学会の著名人に混じって彼が選ばれた記事を目にした時は私も非常に驚いた記憶があります。

もっとも、その100人の中には、今となってはなんだかよくわからない鳩山元総理をはじめ、?っと思える人も山ほどいたけど、う~~ん、どうなってんだろう???