みなさん、動物にも血液がかたまりにくく、
出血傾向を認める病気があるのをご存知ですか?

世界史ではロシア皇太子アレクセイの話(血友病)が有名ですが、
動物の世界では犬種によってかなり正確にわかっています。

具体的には、「先天的に血液凝固因子を欠く」犬種として、
ドーベルマンピンシャー、グレートピレネース、ビーグル、
シェパード、最近ではウエルシュコーギーペングローブ
が遺伝的に高いリスクを負う、といわれています。

そうはいってもほかの疾患に比べたらまれな疾患であり
血液の専門家いわく、確率的には
一人の獣医師が一生に一度か二度診る程度、とか。

大学の先生と話していると
「これが意外に多いんだよ。想像以上だね。」
とはいいますが。

私もかつてグレートピレネースで一度だけ経験しましたが、
先日、久しぶりに血液凝固障害を強く疑うケースを診ました。

ただしこれは本当に先天的なのか、じつは後天的なのか
最終的な判断には至りませんでしたが・・・。
ところで血友病の歴史はかなり古く、紀元2世紀
古代バビロニアの書に記載があるという。

「子供が二人続けて割礼で亡くなった場合(失血死!)は、
3人目は割礼を受けなくてもよい」、という内容らしい。
すごい話で驚きました。

十分な医学の知識がなかった時代でも、
人々は経験からなにがしかの知見を得ていたのでしょう。