異物摂取のわんこやにゃんこを立て続けに診ました。

対応は、飲み込んだモノによってさまざま。
鋭利なものでなければ催吐処置になりますが、
催吐に反応しないケースや、食道を傷つける可能性があれば、
安全性を考慮して内視鏡の適用になります。

催吐処置に際して使用可能な薬剤は国内では限られますが、
欧米には、注射以外に点眼液で吐かせるタイプもあります。
点眼した薬剤を眼結膜から吸収させて全身循環にのせて、
最終的にCTZ(嘔吐中枢)を刺激するという仕組みらしい。
この発想が凄いと思う。

ただし結構高額なこともあり、国内で輸入して使われる先生は
かなりの少数派みたい。
国内で認可されたら私も使ってみたいなあ~、と思いますが。
一方、内視鏡操作での異物摘出は、誤解を恐れず例えるなら
ゲームセンターのUFOキャッチャーにも似て、
条件さえそろえば難儀することは少ないと思います。
ただ、動物の場合、全身麻酔が前提となりますから、
「万全の麻酔管理」こそが「安全な内視鏡操作」のキモになります。

というわけで、異物摘出にはさまざまなリスクを伴います。
わんこ、にゃんこのそばには飲み込まれそうなものは
置かないようにしてください。

なお、内視鏡を含む当院医療機器の紹介ページを
更新しました。興味のある方はこちらもご覧ください。
→i医療機器を見に行く