2018年11月〇日

二週連続で学術講習会に行ってきました。
今回は長野県獣医師会主催のセミナーで、
場所は長野市の獣医師会館でした。

講師の先生は都内の大学とその付属病院に
勤務されている腎臓疾患の第一人者。

講演のあと、
講師の先生と個人的にいろいろ話しこんでいたら、
こんな経験談をされました。

”若い頃から飼い主さんには折に触れて、
「飼い始めた瞬間から、わたしたち人間よりも先に
この子は死ななければならないことを理解して
飼ってください。」
という話をして、

「だからこそ、
飼い主さんには愛する動物と過ごす時間をより
大切にしてほしいし、双方の最大の幸せを願い、
そのために動物にしてあげられる
手助けこそが私の使命だと思っています。」
この2点を今も言い続けています。”

同感です。いいお話です。
このセミナーに参加出来て本当によかった。

2018年10月〇日

今日はアニコムとフジフイルムの共催による、
「慢性腸症に関するセミナー」があったので、
行ってきました。

「慢性腸症」とは、一般の人にはまず
聞き慣れないコトバかもしれませんが、
要は、どんな治療方法を試みても、
どうしても治らない、そして治せない、
最悪死に至ることもあるという、
獣医師泣かせの難治性下痢のこと。

実際、病院にやってくる下痢の子の
95%は治るけど、残りの5%くらいは
獣医師としての知識と経験と工夫によって
総合力が問われるもの。

この「慢性腸症」、
今や大学の研究者や関連企業を中心に
有望な治療方法が開発されつつあるので、
数年後の実用化を期待しています。
ところで本セミナーの会場は、
西新宿にあるアニコム本社会議室でした。

高層ビル最上階のワンフロアすべてが
アニコムのオフィス本社になっており、
全体的に近未来を思わせる素敵なつくり。
おしゃれなオフィスとして有名らしく、
よくTVドラマの撮影などに使われるみたい。

アニコム本社を訪問するのは今回初めてでしたが、
さすがアニコムさん、立派なものですね。

2018年10月〇日

脂質代謝異常に関する学術講習会があったので、
久しぶり(2年ぶり?)に松本市に行ってきました。

松本には「メーヤウ」という
カレーの有名なお店があるので、
ここで昼食にイエローカレーをいただいてから、
いざ講習会に参加です。

このカレーは激辛で、
ほとんどの方が顔を真っ赤にして汗を流しながら
必死の形相で食べています。
しかし、もちろんただ辛いだけでなく、
スパイス特有の深い味わいがあって、
癖になる辛さなのです。

これを味わってから出かけたら、
どんな講義でもまず眠気は生じないし、
いつも以上に集中できる感じなので、
松本市内で講演を聴講する際の、
私の定番になっています。

ところで信濃町の慶大付属病院の近くにも
カレーの名店「メーヤウ」ありますよね。
以前一度だけ行ったことがあるけど、
どういう関係なんだろう?

2018年10月〇日

愛犬るーちゃんがなくなってひと月になります。

病院にいらっしゃる飼い主さんからはよく、
「わんこのいない生活って、淋しくないですか?」
と聞かれますが、
「そのとおりです、かなり淋しいものです。」
 (T_T)/~~~(T_T)/~~~(T_T)/~~~
と、今の正直な気持ちを伝えています。

ただ、この喪失感はどう表現したらいいものか、
言葉ではうまく言い表せない、ですね。
さいわい動物を相手にする仕事なので、
病院にやってくるわんこ、にゃんこ、うさぎたちを
今まで以上に可愛がることで、
なんとか癒されています。

今すぐではないけれど、きっと近い将来、
またキャバリアを迎えたいな~。

2018年9月〇日

本日、るーちゃんのお葬式をしました。

佐久軽井沢近隣にはいい斎場がないので、
るーちゃんとの最後のドライブをかみしめながら
長野方面まで足を延ばしました。

るーちゃんはお骨になっても可愛かった。

もう、この世界のどこをどう探しても、
るーちゃんはいないんだなあ、
と改めて実感しました。

出会いがあれば別れがある、
そう頭ではわかっているけど
現実は、切ないですね。

るーちゃん、今までありがとう。

2018年9月〇日

本日午前3時20分、
我が家の愛犬るいーずちゃんが
逝ってしまいました。

リビングで家族の見守るなか、
16歳と5か月の大往生でした。

訳あってブリーダーさんの元を離れて、
うちの愛犬になったのが2007年の11月。

以後今日に至るまでの11年間あまり、
生活を共にしてきた、大切な家族でした。

亡くなる前日のことですが、
るーちゃんを優しく抱っこしていて、
ふと顔を見ると、上を見上げた瞳に
いっぱい涙を湛えていました。

「今まで大切にしてくれて、ありがとう。
わたしはもうすぐ旅立ちます。
別れは淋しいけど、泣かないでください。」

大きな目を精いっぱい見開いて、
そのようにうったえている気がしました。

切なくて、切なくて、
優しく涙を拭きとってみたけど、
やっぱりるーちゃんの瞳に涙が溢れてくる。
ああ、りーちゃんの時と同じだ、と思いました。
あの時も、最期の朝の酸素吸入を終えて
ふと顔を確認すると、大粒の涙を湛えて
じっと見つめられました。
その時は呼気に含まれる水分が、
吸入マスクから水滴として
偶然両目の瞼についただけかも・・・、
と一瞬思ったけど、
やっぱりお別れの涙だった。

泣きたい気持ちを抑えて、心の中で、
「るーちゃん、うちに来てくれてありがとう。
るーちゃんとの思い出は私の一生の宝物。
るーちゃんのことは生涯忘れないよ。」
そう返すのが精いっぱいでした。
今日は本当に悲しい一日でした。

2018年8月〇日

今日はうさぎのくるみちゃんとラッキーちゃんがやってきた。

全国的にはわんこの登録頭数が減っているといわれていますが、
その一方でうさぎを飼われる方は確実に増えていると思う。

うさこには、わんこ、にゃんことは異なる
草食動物の可愛さがあるんですよね~。

いま動物病院にやってくるうさこたちは、
私が子供の頃の小学校にいた様な
あの白くて赤目で顔の長いうさぎとは異なり、
みんな頭が丸くて小柄な体格です。
明らかに、人が可愛らしさを追求して
交配でつくりあげた動物、って感じです。

それだけに、様々な疾患に見舞われることが多く、
しかも小さいので、処置や治療が大変!!

意外と知られていませんが、
うさぎはヒトに良くなつきます。
性格も多彩で表情も豊かですよ。

2018年8月〇日

昨夜大河ドラマ「西郷どん」を見ました。
西郷隆盛といえば国民的なヒーロー!

官軍参謀にして初代陸軍大将に就任しており、
当然馬に乗れる身分にもかかわらず、
何故か、馬には乗らなかったという話です。
これ、西郷にまつわる謎のひとつとか。

その理由は諸説ありますが、
1) 彼自身の謙虚さゆえの美談
として伝えられる一方、
2) フィラリア感染症
も一因とわれています。

この場合、フィラリア症といっても、
もちろん犬フィラリア症ではなく、
バンクロフト糸状虫の感染による
リンパ管フィラリア症(ヒトの陰嚢水腫)。

医師ではないので詳細は知りませんが、
この疾患により騎乗が困難だったとか。
ちなみにこのヒトのフィラリア症は、
犬と同じく蚊が媒介して感染が成立し、
1954年当時の鹿児島県下では、
住民1400人余を対象にした検診で
なんと12.5%が陽性だったそうです。
(もちろん、現在国内では撲滅されています)
一方、わんこのフィラリア症は、
かつてに比べたらかなり減ってはいますが、
それでもなお撲滅されたとは言い難い状況です。
というわけで、暑い日が続きますが、
フィラリア予防薬は、蚊が終息してから後も
ひと月ないしふた月投薬することが大切です。

2018年7月31日

今年の夏は暑いですね。
都内や西日本に比べたら
避暑地軽井沢はまだまだ涼しい地域でしょうけど、
それでも日中最高気温が30度に達する日があります。

来るわんこ、にゃんこの多くが脱水気味のうえ、
動物薬のプロパーさんの勧めもあって、
脱水対策に、院内にこんなグッズを用意しました。

脱水と聞くと、とりあえず水を飲め、
みたいに思われがちですが、
同時に電解質の補給も必要です。
純粋な水分だけでは、
血液が希釈されてしまいますからね。

というわけで、ハイドロチャージは
水と電解質の効果的な補充が可能です。

おまけにかつお節とチーズのフレーバー付きとか。
なんだかお酒のおつまみみたいですね。

2018年6月17日

今日は麻酔外科・循環器・画像診断・内視鏡外科の
合同学会に行ってきました。

毎年春は大宮ソニックシティ(2日間)開催、
とほぼ決まっているので(秋は全国各地)、
軽井沢からだとアクセスが良くてちょっと嬉しい。

それだけに、例年だと2日間かけてじっくりと
気が済むまで講演を聴くのが常ですが、
今年はうちの愛犬るーちゃんが要介護状態(!)なので、
その世話もあって最終日1日だけの参加です。

るーちゃんは16歳と3ケ月齢になります。
後肢は萎えてもうほとんど歩けないので、
トイレは支えてあげなければ出来ません。

また、食事がうまく摂れなくなってきているので、
フードを上手に口に入れてあげなくてはなりません。

一緒にいるためには今まで以上に手がかかりますが、
老犬には仔犬にはない、独特の可愛さがあります。

筋力の衰えからヨボヨボ歩くが精いっぱいで、
かつてのようにもう一緒に散歩にも行けないけど、
それでも、いつまでもいつまでもそばにいてほしい、
と心から願っています。