2016 1 月4日(晴)
仕事始めです。例年になく暖かなお正月でした。
年末~年始にかけていきなり風邪をひいたりして
すでに無病息災は達成困難。(*_*)
今年のスローガンは「一病息災」に改めようか。
2015年12 月×日(晴)
循環器の専門誌を見ていたら、なんと
高血圧の治療ワクチン開発が急ピッチで進展しているとか。
大阪大学のグループがラットと犬ですでに成功したという。
個人的には猫で成功してくれたら・・・いいなあ。
それにしても、びっくりポンである。
そもそもワクチンといえば、今まで予防に使われる
と信じられていましたが、今回は純粋に高血圧治療。
作用機序は専門的になるのでここでは省きますが、
1回の投与で数か月間の効果が期待できるみたい。
この高血圧治療ワクチン、
近い将来かなりの確率で実用化されると思う。
もちろんこの研究グループ、
最終的にヒトでの実用化を目指しているとは思いますが、
大村先生の発見したイベルメクチンのように、
獣医療でもきっと革新的なものになるでしょう。
2015年11 月×日(晴)
最近私が読んで面白かった本を紹介します。
「ゴリラの森でウンチを拾う」
週刊誌の書評でも紹介されていたみたいですが、
私は獣医学関連書籍のDMに混じっていたチラシで、
この本の存在を知りました。
腸内細菌に関する内容がメインですが、
著者の冒険談、体験談を交えて
平易な文章でつづってありますから、
必ずしも専門知識は必要ありません。
職業柄、検便は私の日常業務ですから、
楽しく読みました。
うんちの奥深さを知らしめる一冊です。
動物好きの皆さんにも
ぜひ読んでいただきたいと思います。
2015年11 月×日(晴)
最近玉ねぎ中毒は
さすがにほとんど診なくなりましたが、
その一方でよく訊かれるのは、
キシリトール誤飲による中毒。
けっこう電話での問い合わせが多いです。
以下はウォールストリートジャーナルからの抜粋ですが、
アメリカでも事情は似ていますね。
「キシリトールはガムのほか、ミント、ガム状のビタミン剤、
歯磨き、一部のピーナツバター、メラトニンの睡眠薬に
使われている。
カロリーが砂糖の3分の2ほどで、
糖尿病の人にとっては
砂糖より安全だ。
虫歯予防の効果を示す研究を挙げるガムメーカーもある。
キシリトールは植物から採取される糖アルコールの一種で、
人間は耐性があるが
犬が摂取すると急激にインスリンが分泌され、
低血糖症状を引き起こし、
発作や脳障害につながる恐れがある。
肝不全の危険もある。
米国動物虐待防止協会(ASPCA)は
2004年にキシリトール
関連で82件の電話を受け、初めて警告を発した。
2014年には3727件の電話があり、
少なくとも11匹が死亡した。
報告されていない事故も多いとみられ
同協会では
実際の中毒事故はこれより多いとみている。
キシリトールは
ネコにとっても毒なのではないかという
懸念もあるが、
それを裏付けるものはほとんどないという。
ウシやヒヒなど他の動物に
有害な可能性もある。」
中毒事故も古典的なものから、
最近は変化しているんですかね。
2015年11 月×日(晴)
最近PC、プリンターとも
ほぼ同時に不安定になってきたので、
本日両方新調しました。
いずれも開業から数えて3代目です。
仕事で酷使するせいか、
だいたい4年間で使い切る感じになります。
新品のPCやプリンターを目の前にすると
気分は盛り上がりますが、
患者管理ソフトをインストールしたり、
バックアップデータを復元したり、
iPADとのネットワークを確認したり、
設定だけで1日かかりのお疲れモード。
それにしても最近のプリンターは
かなり進化していて、
PCを経由せず、
直接iPADやスマホからアクセスして
印刷できたりして便利です。
いろんな機能、楽しい機能満載ですが、
なぜかB6用紙の印刷設定がありません。
農水省の定める狂犬病予防接種証明書などは
B6規格にのっとっており、この設定は動物病院に必須。
B6用紙の用途は、
いまやそのほとんどが医療機関に限られ、
一般社会ではA5までで、
それ以下はハガキ・封筒対応だとか。
ちなみにB7サイズはパスポートの大きさ。
結局オリジナル設定で定義して
使用出来るようになりましたが、
汎用サイズでないと、
用紙設定すら面倒になりかねません。
B6サイズとは獣医師になって以来の長い付き合いだけど、
やがてB6も消えてゆく運命なのでしょうか?
201511 月×日(雨)
今日は、うちのワンコ
りーちゃん、るーちゃんの健康診断をしました。
11月は誕生日じゃないけど、
病院が少し暇になる時期なので、
例年この時期にじっくり診ています。
ちなみに現在、
リーちゃんが12歳2ヶ月、
るーちゃんが13歳7ヶ月です。
りーちゃん
るーちゃん
キャバリアなので若いころから
弁膜疾患(心不全)はありましたが、
6歳頃からお薬を飲んでいるためか、
進行はかなーりゆるやか。
キャバリア、弁膜疾患、という共通点はあっても、
性格はそれぞれ。
りーちゃんはおっとりしていて
どんな検査や処置も大抵平気ですが
レントゲンだけは苦手。
レントゲン室ではたまーにちびります^_^;
るーちゃんもかなり我慢強いのですが
心エコー検査が苦手です。
長時間、あお向けにされるのが怖いのか
検査中にも関わらず、
勝手に検査台から飛び降りて
自分の部屋に帰ってしまいます(・o・)
検査が好きな子はいないかも知れませんね。
りーちゃん、るーちゃんの結果は
概ね問題なし。ほっ。
この調子で、20歳くらいまで
元気でいてくれるといいな~~~、と
期待しています。(^◇^)
2015年10 月10日(晴)
麻酔用の生体モニターを入れ替えました。
以前使っていたものが壊れたわけではありませんが、
監視機能が増えたうえに、とっても使いやすくなったのだ。
私個人は全身麻酔に絶対の安全性を求めているので、
けっして安くはありませんが、いいお買い物です。
2015年10 月9日(晴)
今年のノーベル賞(医学・生理学)を北里大学の大村先生が受賞されました。
大村先生、おめでとうございます! (^^)/
「イベルメクチン発見」はアフリカでの寄生虫疾患撲滅への貢献ばかりが
が強調されています。
しかし日本国内はもとより先進各国では、
ヒトよりも畜産業や獣医小動物臨床への寄与のほうがはるかに大きく、
おなじみのフィラリア予防薬はその代表格。
イベルメクチン製剤の登場によって、犬フィラリア感染症が制圧され、
犬の平均寿命はおよそ10年延びた、といわれています。
ここまで尽力されているわけで、獣医師会としても
大村先生になにかお祝いをされてもいいんじゃないか、
と思うのは私だけでしょうか。
ところで、私は北里大学出身ではありませんが、聞くところによれば、
北里大学獣医学部では昔から大村先生の講義があって、
イベルメクチンの開発にまつわる苦労はもちろん、
仰天の秘話、衝撃の裏話を聞けたということです。
どんな話なのか、興味ありありです。
私もぜひ聞きたい~~~!!!
2015 年 6月21日(晴)
毎年大宮で開催される大きな学会に行ってきました。
麻酔外科学会+循環器学会+画像診断学会の3学合同大会です。
毎回それぞれの学会のトピックがあって面白い学会ですが、
私の所属する循環器学会は、今回はどうも面白みにかけたので、
主に麻酔外科関連と画像診断関連を聴講しました。
麻酔外科関連のトピックはなんといってもうさぎの声門上器具の登場!
今までうさぎの全身麻酔は気管挿管が非常に困難であるために敬遠され
一部の獣医師によって細い硬性鏡を使ってなんとか行なわれていました。
細心の注意を払っても、時にはうさぎの細い気管を損傷する恐れもあり、
うさぎも獣医師もまさに命がけでしたが、ロンドンから朗報です。
体重わずか1kgのうさぎにも厳密な呼吸管理が可能になったということです。
この声門上器具を使用すると、3秒で気道確保が完了します。
ちなみに今までは呼吸を止めないように注意しつつ5分かかりました。
うさぎは哺乳動物のなかでは呼吸停止と心停止がかなり接近していますから、
この器具の登場で、今後うさぎの救命率や手術の成功率は劇的に向上するでしょう。
2015年11月19日(晴)
2003年11月19日この軽井沢で開業してから11年が過ぎ、
今日から12年目に入りました。
あっという間の11年でしたが、11年前と比べると一番の変化は「IT」。
病院を取り巻く環境はITの進展により、激変しました。
以前は新しい知見を得るためにさまざまな学会やセミナーに参加しました。
いまや内容によっては、自宅に居ながらにして、ネットで聴講可能。
移動時間がありませんから、時間の有効活用につながります。
限られた時間の有効活用、すばらしいですね。
医療機器もずいぶんと使い勝手が良くなりました。
超音波検査やレントゲン撮影によって蓄積した膨大な画像データも、
いまや一元管理が当たり前。
必要に応じてPCやiPADに送ったり、過去データを瞬時に検索・比較したり
また画像データ等をCDに焼いて大学等への紹介状とともに渡すことも
容易です。
デジタルデータを扱う以上、データの管理・保全は非常に重要になってきますが、
いまや病院内のバックアップに加えて、情報セキュリティの強化された専用回線を
利用し医療機器メーカーの運営するサーバーに直接送信します。
トラブル対策・安全性対策は万全ですね。
こんなに便利になるとは少なくとも11年前は予想出来ませんでした。
今後はたしてどんな展開がこの業界に待ち受けているのか、楽しみです。