2015年10 月9日(晴)

今年のノーベル賞(医学・生理学)を北里大学の大村先生が受賞されました。
大村先生、おめでとうございます! (^^)/

「イベルメクチン発見」はアフリカでの寄生虫疾患撲滅への貢献ばかりが
が強調されています。

しかし日本国内はもとより先進各国では、
ヒトよりも畜産業や獣医小動物臨床への寄与のほうがはるかに大きく、
おなじみのフィラリア予防薬はその代表格。

イベルメクチン製剤の登場によって、犬フィラリア感染症が制圧され、
犬の平均寿命はおよそ10年延びた、といわれています。

ここまで尽力されているわけで、獣医師会としても
大村先生になにかお祝いをされてもいいんじゃないか、
と思うのは私だけでしょうか。

ところで、私は北里大学出身ではありませんが、聞くところによれば、
北里大学獣医学部では昔から大村先生の講義があって、
イベルメクチンの開発にまつわる苦労はもちろん、
仰天の秘話、衝撃の裏話を聞けたということです。

どんな話なのか、興味ありありです。
私もぜひ聞きたい~~~!!!

2015 年 6月21日(晴)

毎年大宮で開催される大きな学会に行ってきました。
麻酔外科学会+循環器学会+画像診断学会の3学合同大会です。

毎回それぞれの学会のトピックがあって面白い学会ですが、
私の所属する循環器学会は、今回はどうも面白みにかけたので、
主に麻酔外科関連と画像診断関連を聴講しました。

麻酔外科関連のトピックはなんといってもうさぎの声門上器具の登場!
今までうさぎの全身麻酔は気管挿管が非常に困難であるために敬遠され
一部の獣医師によって細い硬性鏡を使ってなんとか行なわれていました。

細心の注意を払っても、時にはうさぎの細い気管を損傷する恐れもあり、
うさぎも獣医師もまさに命がけでしたが、ロンドンから朗報です。
体重わずか1kgのうさぎにも厳密な呼吸管理が可能になったということです。

この声門上器具を使用すると、3秒で気道確保が完了します。
ちなみに今までは呼吸を止めないように注意しつつ5分かかりました。

うさぎは哺乳動物のなかでは呼吸停止と心停止がかなり接近していますから、
この器具の登場で、今後うさぎの救命率や手術の成功率は劇的に向上するでしょう。

2015年11月19日(晴)

2003年11月19日この軽井沢で開業してから11年が過ぎ、
今日から12年目に入りました。
あっという間の11年でしたが、11年前と比べると一番の変化は「IT」。
病院を取り巻く環境はITの進展により、激変しました。

以前は新しい知見を得るためにさまざまな学会やセミナーに参加しました。
いまや内容によっては、自宅に居ながらにして、ネットで聴講可能。
移動時間がありませんから、時間の有効活用につながります。
限られた時間の有効活用、すばらしいですね。

医療機器もずいぶんと使い勝手が良くなりました。
超音波検査やレントゲン撮影によって蓄積した膨大な画像データも、
いまや一元管理が当たり前。

必要に応じてPCやiPADに送ったり、過去データを瞬時に検索・比較したり
また画像データ等をCDに焼いて大学等への紹介状とともに渡すことも
容易です。

デジタルデータを扱う以上、データの管理・保全は非常に重要になってきますが、
いまや病院内のバックアップに加えて、情報セキュリティの強化された専用回線を
利用し医療機器メーカーの運営するサーバーに直接送信します。
トラブル対策・安全性対策は万全ですね。

こんなに便利になるとは少なくとも11年前は予想出来ませんでした。
今後はたしてどんな展開がこの業界に待ち受けているのか、楽しみです。

2015年6月×日(晴)

最近左肘が痛くてどうしようもないので、軽井沢病院整形外科を受診しました。
受診するのは、数年前スキーでこけてひざを強打して以来です。

個人的には冷えかな~、なんて思っていましたが、簡単なテストの末、
診断はなんと、テニスひじ(=上腕骨外側上顆炎)とのこと。

テニスなんて、大学卒業以来数えるほどしかしていないのに。
もっとも、最近はノートPCのキーボード入力の際に、腱に異常な負担が
かかることがあるようで、30~40代のビジネスマンに多くみられるらしい。
必ずしもテニスが原因とはならない、ということですね。

PCなしでは仕事が成り立たないのだ。
まいったなあ、大事をとって休診日を増やすべき?

2015年6月×日(晴)

今年の6月はなぜか例年より獣医関連学会が多いのですが、
今年立ち上げられたVETS EXPO 2014 第一回大獣医展では、
ワークショップやセミナー、展示ブース等ありがちな企画に併せて
「恋の課外授業」と称した独身獣医師向けのパーティーを開催するみたい。

これも時代なのかなあ。
私が学生の頃は男子が6割女子が4割でしたが、
いまや獣医学部学生の7~8割は女性ですから、
このパーティー、きっと参加する男性陣を集めるほうが
難しいんじゃないだろうか?

2015年4月×日(曇)

英テレグラフ紙の2014年3月27日配信記事
「離婚を避けたい人は、農業技術者と結婚するべし」に、
職業別の離婚率に関する調査結果が紹介されているみたい。

それによると、獣医師、農業技術者、教師といった職業の人は、
ダンサー、振り付け師、バーテンダー、看護師などと比べて離婚する確率が低く、
幸せな結婚生活を望むのなら「お薦め」とか。
英国でのデータだけに、直接日本に当てはめるには無理があるけど、
看護師はともかくダンサーや振り付け師はさすがに知り合いもいないし、
私はお酒もまったく飲めませんからバーテンダーも知りません。
ただ、日本では獣医師の離婚率は必ずしも低くはないと思います。
特に獣医師同士の結婚では、リスク高いですね~~~。
これは私の個人的な感触というよりは、日本人獣医師の代表的な意見だと思います。

2015年4月×日(曇)

世間は朝から晩までSTAP細胞の件で盛り上がっていますが、
獣医師の間ではもっぱら新しく発売された2つの薬剤が関心を集めています。
厳密に言えば、すでにひとつは年末に発売済みですが、
もうひとつは日本にすでに輸入されていますが発売まではあとひと月かかるとか。

すでに発売された薬剤のほうは、新しい麻酔導入薬「アルファキサン」。
麻酔導入薬といえば、医師も獣医師もひたすらプロポフォール一辺倒でしたが、
今回はステロイド系麻酔薬という全く新しい薬です。

厳密に言うと、この薬は1970年代に一度発売されています。
開発者はオーストリアの内分泌専門医ハンス・セリエ博士。
当時は麻酔薬そのものではなく、その溶剤に対する技術的欠陥から、
医師向けも獣医師向けも相次いで発売休止に至りましたが、
21世紀の化学合成技術でみごと復活しました。

プロポフォールはいい薬ですが、マイケルジャクソンの事故といい、
文春の今週号に掲載された女子医大の事故といい、大きくイメージを損ないました。
個人的には大好きな薬ですが、製薬会社の担当者に言わせると、
少なくとも薬理学的な比較では、ステロイド系麻酔薬のほうが安全性が高いとか。
今後獣医師の麻酔の世界では主力になるのかなあ。

ちなみにヒトでは麻酔薬としての承認を得るためには莫大な経費と時間が
かかるようで、当面は獣医師だけに発売が許されるみたい。

ところでもうひとつの薬剤は、抗がん剤の一種である「分子標的薬」。
いままでヒト用の分子標的薬を動物に転用していましたが、今回の薬は開発過程で、
「この分子構造は犬の肥満細胞腫(=悪性腫瘍)に絶対効くはずだ!」
という研究者の信念と直感に基づいて商品化された優れもの。

動物専用に開発された分子標的薬の今後の臨床応用が楽しみです。

2015年3月×日(曇)

最新の血液学のトピックを聞きに行こうと予定していたのに、
急患があって諦めました。
すると、後日担当者が
その際配布された資料を持ってきてくれました。
資料とおまけのボールペンに混じって
会社のロゴが入った飴が入っていましたが、
この飴がなんと
5種類の白血球(好中球やリンパ球etc)の形態を模したものでした。

この飴によって知識が深まることはないけれど、アイデアは面白いと思いました。
ちなみに味のほうは・・・まずまずでした ^m^

2015年3月×日(曇)

名古屋国際会議場で循環器のセミナーがあったので
日帰りで行ってきました。

軽井沢からだと東京経由のほうが多少早く着けるようですが
東海道新幹線にもちょっと飽きたので
今回は車窓から木曽路を眺めるべく
あえて軽井沢→(新幹線)→長野→(特急しなの)→名古屋のルートで
名古屋まで行きました。

このコースだと多少時間はかかるのですが、
景色がすばらしく旅情も楽しめます。
長野駅で買ったお弁当「信濃の国 食浪漫」を食べつつ、
姨捨の棚田や美しいアルプスを眺め、
木曽の風情を堪能していたら、
あっという間に名古屋に着きました。

ところでこのセミナー、講師のひとりが
大学の同級生(内科の教授)でした。
セミナー後に会話したら

「近いうちに大学を辞めて、循環器の専門病院の施設長に転出するんだ。」
「RストーンズやPマッカートニーの年まではまだ20年以上あるんだから、
これからは、彼らの年まで彼らに負けないくらいがんばってみたい!」

と言ってました。
ちょっとビックリですが、なにか心に期するものがあるんだろうなあ。

大学にとどまっているだけでは
自己の能力が100%発揮できないと感じるのか、
腕に自信があるのか、臨床系の先生は
けっこう途中で大学をやめちゃうんだよね。

2015年2月×日(曇)

学会で久しぶりに横浜みなとみらいに行ってきました。

大学が神奈川県内にありましたので、横浜も学生時代は身近に感じましたが、
軽井沢からだと横浜方面は東京都内よりも地理的に遠くなり、
今でははるかかなたの世界です。

せっかくここまで出てきたので、中華街で好物の中華粥を食べて帰りました。
パクチー入りの中華粥、うめ~~~(*^_^*)