12月× 日(雪)
年末になると今年一年を振り返ってまざまざ報道がなされますが、
こと獣医学に関しては、2013年最大の出来事は
「台湾での狂犬病発生」。
日本では1957年を最後に国内での発生はありませんが、
お隣の中国は今も年間2000人以上が狂犬病で亡くなっています。
(全世界では年間5.5万人)
ちなみに中国では、狂犬病ワクチン代が
日本円にして15000円前後と非常に高く、
そのためワクチン率が極端に低いみたい。
その一方で偽造ワクチンが大量に出回っているようで
当局も打つ手無しとか。
年間の犠牲者2000人という中国政府発表のデータも
かなり低く見積もられているといわれています。
台湾で発生したことで、アジアでの清浄国は
日本とシンガポールのみとなりました。
ただ、前述のとおりお隣さんがえらいことになってますから、
今後日本も対岸の火事とは言ってられません。
日本は先進国の中ではワクチンの料金が比較的安く
供給も安定しており、
しかもその製造技術・性能は世界でもトップクラスです。
日本はいい国ですね~~~。 (*^_^*)
みなさん愛犬には狂犬病のワクチンを接種しましょう!
12月× 日(晴)
今年何かと話題になったテーマにTPPがありますが、
これに触発されたかどうかわかりませんが、
ここ1、2年くらいで海外に展開する動物病院グループが増えてきました。
現に、タイのバンコク、インドネシアのジャカルタ、
ベトナムのホーチミン市あたりでは、
日本人の経営する動物病院は地元で人気があるという話。
さらなる成功を確信しているのか、
私が定期購読している獣医学専門誌の今月号にも
、けっこうな高給での獣医師リクルート広告が掲載されていてビックリしました。
お金はともかく、日本とはまったく文化の異なる国で働くのは
楽しいことでしょう。
若い獣医師だけでなく、結構年配の先生の応募もあるとききます。
TPPが正式に発効されたら獣医師の世界にも
さまざまな動きがあるのだろうか?
日本人獣医師の医療水準の高さはもちろん、
「おもてなしの心」が東南アジアの人々に広く流布されるといいですね。
11月19 日(晴)
今日で開業10周年を迎えることが出来ました。\(~o~)/
改めて振り返ってみれば、さまざまなワンコやにゃんことのふれあいがあって、
いろいろな方々との出会いがあって、楽しい10年間でした。
もちろん実際の仕事は楽しいことばかりじゃありませんが、
いろいろと知恵を絞って問題を解決してゆく過程は
非常にやりがいがあります。
獣医師のわたしにとって、
臨床は本当に天職なんだな~~~、って思います。
10月× 日(晴)
先日のセミナーで講演された講師のひとりは
ニューヨークのアニマル・メディカル・センター(AMC)の現所長。
AMCはこの業界では国際的によく知られた診療&研究機関ですが、
同時に現在も日本人を含め世界中25ヶ国からレジデントを受け入れている
全米屈指の教育機関。
なんと1906年の設立で今年で107年を迎えるという。
設立された当初は、慈善家の寄付等により
お金のない飼い主さんの馬・犬・猫は
すべて無償で診察・治療した歴史もあるという話です。
そのため、ここの所長を務めることは米国社会でものすごいステイタスとか。
もちろん現在は無償サービスはありません。
↑
<キャバリアの画像をクリックするとAMCのサイトに飛びます>
ただ、わが国でも1880年(明治13年)東大農学部に
アジア初の家畜病院を開設したというから、
歴史的な観点から見たら日本も捨てたものじゃないですね。
そうはいっても当時の教授や院長は
政府お抱えの外国人教師だったから、
今も昔も米国は獣医学の中心ということになります。
10月× 日(雨)
秋になってようやく落ち着いてきたので、
今月はベーリンガーと富士フイルムがそれぞれ主催するセミナーに行って来ました。
最近は有料・無料を含めネット上で聴講できるセミナーも増えましたが、
私自身、会場で多少眠くなったとしても
やっぱり直接聴いたほうが身になるので、
なるべく出かけるようにしています。
大学を出て都内で代診をしていた頃は優秀な先生に師事したこともあって、
臨床一筋に20年も学んだら、もう学ぶべきものはなくなるんじゃないかと
生意気にも思っていました。
ところがが、なんと20年以上経た今日でも
セミナーに行くと、新たな知見を得られるのが驚きです。(~_~;)
あたりまえですよね!
う~~~ん、若さとはいえ、浅はかな考えでした。(ToT)
もっとも、どんな職業であってもその道を極めようと思ったら、
知識の吸収や技術の研鑽は果てしない道のりなのかもしれません。
9月× 日(雨)
飼い主さんとお話していてときどき判断に迷う症状に、咳とくしゃみがあります。動物の場合これに逆くしゃみといわれる症状も加わるため、飼い主さんからのりん告だけでは、判別は意外と難しい・・・。
ただ、以前から一部の獣医師の間では、アタマを縦に振っている場合は発咳であることが多く、一方横に振っている場合はくしゃみであることが多いと言われていました。
医学的な根拠には乏しいけど、これって当たっているんだよな~~~、と長らく思っていましたが、昨日循環器専門の季刊誌を読んでいたら、そのスジで有名な先生もこの説を強調していました。
とういわけで、みなさん、咳かくしゃみかわからないときは必ずアタマの動きを確認してください。診察する獣医師としては、これだけでも診断の助けになります。
9月× 日(晴)
夏が忙しすぎて毎日ぐったりしていましたので、日誌も久しぶりの更新です。
最近便利だな~~~、と思うのはiphoneやiPADによる動画機能。
例えば、てんかん発作の状態を記録してもらえると、その原因が真性てんかん(脳)なのか心不全(心臓)によるものなのか高い精度で鑑別できるし、また排便の様子などを確認できれば、下痢の原因が小腸にあるのか大腸にあるのか、判別が非常に容易です(今は大学病院でも推奨しています)。
普段から可愛がっているワンコやにゃんこが、倒れたり苦しんでいる状況を冷静に撮影するのは飼い主さんの気持ちとしては複雑なものがありますが、百聞は一見にしかず、診療の際に飼い主さん自身が医療の専門家でもない限りなかなかコトバでは状況を十分説明しきれないこともありますから、動画は正確な診断に至る極めて有効なツールです。
ところで私はiPADは持っていますが、iphoneは持っていません。
持っていなくても特別不便を感じたことはありませんでしたが、最近これに端子を接続して血液中の酸素飽和度を測定するということが可能になったようです(アマゾンで2万円ほど)。
手術時の信頼できるモニターとして欠かせない酸素飽和度ですが、今後はヒトの在宅医療はもちろんのこと、病気の高齢犬などを抱えたの飼い主さんにも欠かせないお手軽診断ツールとなる可能性を秘めています。
ワタシの携帯もiphoneに変えてこの機能を付加してみようかと思います。そして本当に使える機能・信頼に足る精度を誇るならば、必要な飼い主さんにはお勧めしてみようかな。
3月 9~10 日
内視鏡関連の研究会が2日間連続してあったので、
久しぶりに大阪に前泊含めて2泊3日で行ってきました。
大阪まではクルマで400kmもあるので
SAで休憩をとりながらの長旅です。
診療後に家を出発したので
さすがに途中空腹を感じて
多賀(滋賀県)のサービスエリアで
「餃子の王将」に入りました。
大学生の頃は時々「餃子の王将」へ行っていたので、
チャーハンや餃子を食べつつ、
なんだか妙に懐かしさを覚えました。
相変わらず、早くて、安くて、ボリューム満点 (*^_^*)。
ちなみに長野県内には店舗展開していないようで、
(「大阪王将」なるものはあるみたいですが)
ほぼ20年ぶりの王将でした。
宿泊したホテルからの眺め
2月 ×日(晴 )
最近の獣医学専門誌は
紙版とデジタル版の二本立てで提供されることが多くなりました。
当初は、従来の紙の専門誌を読むことに比べて、
同じ内容をPCやiPADで読むことのメリットを十分理解出来ませんでしたが、
紙版では写真(静止画)で見ていたものが
デジタル版ではリアルな動画で確認できたり、
拡大出来たり、
不明な点をすばやく医学辞典で検索したり
(もちろん医学辞典をあらかじめダウンロードしてあればの話ですが)、
便利過ぎて驚きの連続です。
辞典といえば、学生の頃ステッドマン医学辞典
(当時でも結構なお値段していた)を、
重くて持ち運びに不便、寝転がって読むとき手が疲れる、という理由だけで
購入後いきなり3分割か4分割していた助手の先生がいました。
高価な専門書ゆえ、
研究室で躊躇なくバラす作業にはさすがに仰天したものですが、
今後はこんな大胆なことをしなくてもよくなるでしょうね。
2013年 2月 ×日(晴 )
最近は製薬会社も経費削減であまり景品を出さなくなりましたが、
久々に楽しいグッズをいただきましたので、ここに紹介します。
高価なお薬をまとめて購入したら、
おまけで犬型加湿器が付いてきました。
この画像ではわかりにくいのですが、
じつは両耳の先端に穴が開いており、
作動させるとここから蒸気がモクモク出る仕組みになっていて、
とってもとっても可愛い・・・(*^_^*)。
使っていて和みます。