2015年2月26日(曇)
みなさん、「絶食は罪」というコトバをご存知ですか?
ここ数年獣医の世界で流行っているフレーズです。
かつて獣医内科学の講義では、パルボウイルス感染症(出血性胃腸炎)
や急性膵炎のような激しい嘔吐を伴う消化器疾患に対しては、
「まずは絶食から始めよ、絶食は立派な治療である」
と習いました。
ところがここ数年で治療に関する見解が逆転。
嘔吐を伴う疾患に対しては積極的に薬で嘔吐を止めて、
「できるだけ早く消化管から栄養を与えましょう!」
とのこと。
絶食をして中心静脈・末梢静脈から血液中に栄養を補給するよりも、
特別な理由がない限り、できるだけ消化管を使って栄養補給した方が
回復が早く死亡リスクも低減できるとか。
要するに、
絶食は基本的に避けなければなりません、
安易な絶食は治療の妨げになり、リスクを高めます、
絶食せざるを得ない状況なんて、実際の臨床では極めてまれ、
絶食は罪です、
というお話。
このような流れは人医学でも獣医学でも10年くらい前からあったようですが、
定着してきたのは、獣医に関しては3~4年前から。
大学で学んだ見解が獣医学の進展に伴って改まることは多々あるけど、
ここまで変わることは本当に珍しい。
2015年2月16日(雪)
今日は午後からのセミナー参加(於、秋葉原)を予定していましたが、
甲信越地域を襲った記録的な大雪により、参加を断念しました。
残念なのだ・・・(ToT)/~~~
大雪の画像は「ミセス菊池のサイト」に掲載しています。
内容が面白そうだったので前から楽しみにしていましたが、
交通網が完全に断たれている現状では諦めるしかありません。
ちなみに講演内容は「CT/MRI読影のポイント」でした。
ああ、今日は一日除雪に追われて、本当にキツイ一日でした。
2015年2月×日(晴)
ペット関連のお仕事は、介護関連産業とともに
「今後も成長が期待される分野」といわれていますが、
農水省発表の統計を見る限り、地域差がかなり大きいみたいです。
2004年から2012年までの8年間での動物病院の増加率(件数/8年)は
1位:東京(+203)・・・断然トップ!!!
2位神奈川(+160)・・・横浜に集中
3位埼玉(+130)・・・埼玉出身者が多い?
4位愛知(+100)・・・名古屋に集中
となっており、予想通り。
順位は統計が発表されるようななってから変化はなし。
一方、今回発表の統計から、病院が減少している府県が現れました。
1位:愛媛(-5)・・・四国には獣医学部がない
2位:京都(-3)・・・なんでだろ?
3位:富山(-2)・・・なんでだろ?
ちなみに長野県の増加率は+28軒で順位は12位。
全国平均よりは高いようです。
2015年1月×日(晴)
明けましておめでとうございます。
新しい年が皆様や、皆様の愛するペットにとって
良い年になりますよう祈念しております。
今年の干支は午年ということで、
以前から観たかった映画のひとつ
スピルバーグの「戦火の馬」をDVDで鑑賞しました。
大学にいた頃は、獣医学部だけに
キャンパス内を毎日馬術部の馬をはじめ、
豚や羊やヤギが闊歩しているのが日常だったので、
特定の動物だけを可愛いと感じることは少なかったのですが、
改めて馬はホントに可愛い動物だな~、と思いました。
馬の魅力が余すところなく描かれていて、感動的!!!
馬好きでなくとも、すべての動物好きの人に通ずるところのある映画です。
セットや背景も素晴らしいので
まだ観ていない方はぜひご鑑賞を!
12月28 日(晴)
世の中は今日から9連休みたいですが、当院は30日午前まで仕事です。
新年は1月6日の午後から診療開始(事前予約のみ)です。
その間は休診となりますので、
ワンコ、にゃんこ、ラビちゃんetcを病気にしないでくださいね~~~(*^_^*)
12月× 日(雪)
年末になると今年一年を振り返ってまざまざ報道がなされますが、
こと獣医学に関しては、2013年最大の出来事は
「台湾での狂犬病発生」。
日本では1957年を最後に国内での発生はありませんが、
お隣の中国は今も年間2000人以上が狂犬病で亡くなっています。
(全世界では年間5.5万人)
ちなみに中国では、狂犬病ワクチン代が
日本円にして15000円前後と非常に高く、
そのためワクチン率が極端に低いみたい。
その一方で偽造ワクチンが大量に出回っているようで
当局も打つ手無しとか。
年間の犠牲者2000人という中国政府発表のデータも
かなり低く見積もられているといわれています。
台湾で発生したことで、アジアでの清浄国は
日本とシンガポールのみとなりました。
ただ、前述のとおりお隣さんがえらいことになってますから、
今後日本も対岸の火事とは言ってられません。
日本は先進国の中ではワクチンの料金が比較的安く
供給も安定しており、
しかもその製造技術・性能は世界でもトップクラスです。
日本はいい国ですね~~~。 (*^_^*)
みなさん愛犬には狂犬病のワクチンを接種しましょう!
12月× 日(晴)
今年何かと話題になったテーマにTPPがありますが、
これに触発されたかどうかわかりませんが、
ここ1、2年くらいで海外に展開する動物病院グループが増えてきました。
現に、タイのバンコク、インドネシアのジャカルタ、
ベトナムのホーチミン市あたりでは、
日本人の経営する動物病院は地元で人気があるという話。
さらなる成功を確信しているのか、
私が定期購読している獣医学専門誌の今月号にも
、けっこうな高給での獣医師リクルート広告が掲載されていてビックリしました。
お金はともかく、日本とはまったく文化の異なる国で働くのは
楽しいことでしょう。
若い獣医師だけでなく、結構年配の先生の応募もあるとききます。
TPPが正式に発効されたら獣医師の世界にも
さまざまな動きがあるのだろうか?
日本人獣医師の医療水準の高さはもちろん、
「おもてなしの心」が東南アジアの人々に広く流布されるといいですね。
11月19 日(晴)
今日で開業10周年を迎えることが出来ました。\(~o~)/
改めて振り返ってみれば、さまざまなワンコやにゃんことのふれあいがあって、
いろいろな方々との出会いがあって、楽しい10年間でした。
もちろん実際の仕事は楽しいことばかりじゃありませんが、
いろいろと知恵を絞って問題を解決してゆく過程は
非常にやりがいがあります。
獣医師のわたしにとって、
臨床は本当に天職なんだな~~~、って思います。
10月× 日(晴)
先日のセミナーで講演された講師のひとりは
ニューヨークのアニマル・メディカル・センター(AMC)の現所長。
AMCはこの業界では国際的によく知られた診療&研究機関ですが、
同時に現在も日本人を含め世界中25ヶ国からレジデントを受け入れている
全米屈指の教育機関。
なんと1906年の設立で今年で107年を迎えるという。
設立された当初は、慈善家の寄付等により
お金のない飼い主さんの馬・犬・猫は
すべて無償で診察・治療した歴史もあるという話です。
そのため、ここの所長を務めることは米国社会でものすごいステイタスとか。
もちろん現在は無償サービスはありません。
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<キャバリアの画像をクリックするとAMCのサイトに飛びます>
ただ、わが国でも1880年(明治13年)東大農学部に
アジア初の家畜病院を開設したというから、
歴史的な観点から見たら日本も捨てたものじゃないですね。
そうはいっても当時の教授や院長は
政府お抱えの外国人教師だったから、
今も昔も米国は獣医学の中心ということになります。
10月× 日(雨)
秋になってようやく落ち着いてきたので、
今月はベーリンガーと富士フイルムがそれぞれ主催するセミナーに行って来ました。
最近は有料・無料を含めネット上で聴講できるセミナーも増えましたが、
私自身、会場で多少眠くなったとしても
やっぱり直接聴いたほうが身になるので、
なるべく出かけるようにしています。
大学を出て都内で代診をしていた頃は優秀な先生に師事したこともあって、
臨床一筋に20年も学んだら、もう学ぶべきものはなくなるんじゃないかと
生意気にも思っていました。
ところがが、なんと20年以上経た今日でも
セミナーに行くと、新たな知見を得られるのが驚きです。(~_~;)
あたりまえですよね!
う~~~ん、若さとはいえ、浅はかな考えでした。(ToT)
もっとも、どんな職業であってもその道を極めようと思ったら、
知識の吸収や技術の研鑽は果てしない道のりなのかもしれません。