12月  19日(晴)          

エコーの話 その①

年末ですが日がいい(=大安)ので、本日新機種のエコーを納品してもらいました。新車の購入と同じで、あらたに新機種を迎えるのは楽しいものです。

私自身は、年末はなにかと忙しいので、年明けの大安に初荷として入れてもらったほうが縁起がいいと当初から予定していましたが、金融機関の担当者にとっては年内実行のほうが自身の実績・査定につながるみたいで、「なるべく年内にお願いします!」と切に頼みこまれ、あわただしいなかで本日の納入に至った次第。

エコーは、大学卒業してから代診の時期も含めて、今日に至るまでこれで6台目です。メーカーもアロカ、東芝、日立、あるいはGEだったりとさまざまでしたたが、個人的にはGEの画像が好きなこと、GEのキーボード配列に慣れ親しんでいることから、結局今回もGEとなりました。

12月  21日(晴)          

エコーの話 その②

エコー(超音波診断装置)を製造するメーカーはいくつかありますが、トップシェアを誇り技術力でダントツ評価の高いのは、なんといってもGE(米国、世界シェア1位)と東芝(日本、同2位)です。

エコーはスピーカーや楽器といった音響機器とよく似たところがあり、単に材料にお金をかければ良い製品に仕上がるというものではなく、技術を生かす経験や基礎データの蓄積といった、各社メーカーが企業秘密とするところの独自ノウハウが必要です。

たとえば、技術後進国のメーカーでも、エコーを分解してその構造を知れば一応組み立ては可能なのですが、しかしGEや東芝のような高画質は絶対に出せない、といわれています。

円高が長引いて不況に苦しむ日本企業ですが、医療機器分野における日本の技術力は、世界的にみても極めて評価が高いのです。

がんばれ、日本!
来年こそ日本経済にとって飛躍の年であってほしいと思う。

2012年1月 7日(晴)          

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
当院も、本日から診療開始となりました。

仕事柄、私が長期の休みをとることはほぼ不可能ですが、年末年始は当院で唯一入院がなくなる期間なので、この時期を有意義に生かすべく、今回は美術館をめぐる旅に行ってきました。

旅の移動中、機内で「ショーシャンクの空に」を久しぶりに観ました。古い映画ですが、何度観ても感動するいい映画です。

2月 ×日(雪)          

きょうはうさぎのピーターがやって来た。まだ2歳のやんちゃ盛りなのですが、同居うさぎと遊んでいて高所から落下し、なんとあしの指を骨折!しかも、骨折端の一部が皮膚を破って露出しています。(ToT)/

困りましたね、これは・・・。うさぎの骨は細いうえに、皮質が薄いのでできれば避けたいところですが、こうなった以上やるしかありません。

というわけで、本日午後はピーター君の手術を行いました。
手術自体は思ったよりもスムースに運び、非常に満足できる出来栄えでしたが、今回は作業に集中しすぎて疲れました。

以前は細かな手技もぜんぜん気にならなかったし、むしろ細かな作業自体がたまらなく好きでしたが、最近は長時間1点を見つめていたりすると眼が疲れて肩がこるようになりました。

う~~~ん、ちょっと高いけど(=イチローも愛用するOAKLEYのサングラスの10倍くらいかな)、医療用の拡大鏡、買おうと思う。

3月 ×日(晴)          

今日は横浜で開催された眼科セミナーに行ってきました。

横浜は軽井沢から行こうとするとクルマでは時間がかかるので、今回は長野新幹線(通勤ラッシュでした)→東海道線(熱海に旅行に行くおばちゃんでにぎわっていました)→みなとみらい線(なぜか閑散としていた)を乗り継いでみましたが、予想よりはスムースに着きました。

眼科そのものは獣医学の中ではマイナーな分野であるうえ、今回の講義がさらに「網膜疾患の記録・撮影法」というさらにマニアックな内容に限定しているため(眼底撮影カメラを有する獣医師を優先したセミナーなので)、きっと参加者は少ないだろうな~~~、と思っていましたが、小さなセミナー会場が満員になるほどの人がいてちょっとビックリ!
目測で150人くらい居たのかな。

もっとも全国から150人と考えると、必ずしも多くないかも。道府県レベルで見たら、1県あたり2人くらいかな、と予想しながら周囲を見渡すと、宮城県、奈良県あたりからいらしてる先生もちらほら。

私以外で長野県から参加している先生も1人いました。

地域にあまり偏ることなく、マニアックな内容に興味を示す先生はいるもんだなあ~~~、とまたまたビックリ!

3月 ×日(晴)          

今月の日本獣医師会雑誌にオオカミに関する研究論文が掲載されていました。

この雑誌はちょっと退屈なことで有名な(?、ゴメンナサイ、私の個人的な感想です)雑誌ですが、時々非常に面白い内容の論文が掲載されます。

今回の論文は非常に興味深く、岐阜大の研究者が日本各地に残るニホンオオカミとエゾオオカミの骨や剥製の毛からmtDNA(ミトコンドリアの中の遺伝子)を採取し、これを現在生存するヨーロッパのオオカミや国内に普通に暮らす犬と比較するという壮大な内容。

これによれば、ニホンオオカミと紀州犬、シベリアン・ハスキーはかなり遺伝的に近縁だという。
日本各地には、今も古老を訪ねると、紀州犬とオオカミの交雑があったとする伝承も多く残っているらしいから、今回の遺伝子レベルでの解析結果を考えると、やはり紀州犬やハスキーはオオカミの親戚なんだろう。

それにしても、この研究者も言っていましたが、ニホンオオカミやエゾオオカミを失ったことは非常に残念だと思う。

個人的には、現在の犬と比較する意味でも、一度ニホンオオカミなり、エゾオオカミを診療してみたかった。

4月1日(晴)          

先日まで肌寒いと感じていたのに、早いものでもう4月、桜の季節になりました。

今まで勤めてくれたベテランスタッフのIさんが3月末日をもって寿退社となり、本日から新人を含めて新たな体制で出発です。

Iさんは5年ほど在籍しておりましたが、大変明るい性格で愛情をもって動物に接しておりましたので、多くの飼い主さんから頼られ、当院としても非常に信頼しておりました。

Iさんの愛犬MAXちゃん

動物病院のスタッフとして働くうえで最も大切なことは、なにはともあれ動物が大好きであること・・・彼女の仕事への熱意と、動物への尽きることのない愛情をもって長年当院に勤めてくれたことに、今も心から感謝しています。

5月×日(晴)          

「愛犬・愛猫を長生きさせる7ヶ条」というのがあるのをご存知ですか?

某製薬会社が作成して病院に配布していますが、適切な内容だけに、改めてここでも紹介させていただきます。

1、ワクチン接種・フィラリア等の予防を欠かさない。

予防できる病気は確実に予防することで、病気になるリスクは激減します。

2、子犬子猫をとる予定がなければ去勢・避妊手術をする。

前立腺の病気や乳腺・子宮の病気のリスクが軽減します。

3、太らせない。

肥満は、ヒトでは古くから知られている病気のリスクです。

4、正しい食事管理をする。

意外とこれが難しい・・・。要求されるままにおやつをあげてませんか。

5、歯石をためない。

動物も歯が命!小型犬では、歯を守ることは心臓病予防にも繋がります。

6、ストレスをためない。

正しいしつけやコミュニケーションはストレス軽減に役立ついいます。

7、6歳を過ぎたら定期健診を欠かさない。

簡易検査でも結構ですから、最低でも年1回は受けましょう。

5月×日(晴)          

最近、イヌの脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像)装置でスキャンし、イヌが「何を考えているか」を研究する試みが進んでいるらしい。

イヌの脳をスキャンすることで、「人間の最良の友」の心の中で何が起こっているかがわかるかもしれないということです。

研究の中心はもちろん日本ではなく、米国のエモリー大学の脳神経科学者チーム。ちなみにこの大学はジミーカーター元大統領の母校です。

日本人には、あの日野原重明氏(聖路加病院の院長)の留学先としても知られており、総合大学でありながら特に医学・生物学系でかなりユニークな成果を挙げているとか。

日本ではあまり知られていない大学ですが、米国では競争倍率の高さから最難関大学のひとつにあげられているみたい。

なぜか教授陣に愛犬家がとても多いともいわれています。

6月17日(曇)          

某大手外資系製薬企業が特別に招待するパスートセミナー(皮膚科・循環器科)に行ってきました。

会場はパシフィコ横浜国際会議場でしたが、近くでアニメの祭典があったみたいでちょっと混雑。混雑はともかく、涼しい軽井沢から出掛けると、じっとりした暑さに参りました。

セミナー開催に際して米国人社長が 「私の日本語、Bad (ToT)」、といいながらも意味の通じる日本語での挨拶に感心。
その社長曰く、「当社の製品(=心臓のお薬)は世界35ヶ国で発売されており、うち日本市場はフランスに次いで世界第2位、日本の皆さんには大変感謝しています!」。


それにしても動物専用の心臓病治療薬が、それもけっして安くない薬剤が、世界35ヶ国で発売されているとは驚きです。
高価な動物用医薬品が流通するのは動物愛護思想の浸透した先進国のみ、と私自身はアタマから信じ込んでいましたから。

お昼はランチを兼ねた立食パーティーだったので、この35ヶ国がどんな国々なのか会社幹部の方々によほど訊いて見ようかと思いましたが、セミナーの内容とも趣旨とも直接関係ないだけに、思いとどまりました。でも今度担当者が当院を訪れた際には、ぜひ訊いてみたいなあ!