5月 ×日(晴 )          

新型インフルエンザ騒動 ③

今回のインフルエンザウイルス、もともとは豚由来のウイルスですが、じつは昔から人と豚の間を行ったり来たりしているウイルスはいろいろと知られていて、たとえば日本脳炎のウイルスはその代表格。人・豚両方に感染します。

だから今でも日本脳炎の流行予測に豚の血液検査が利用されており、養豚場などで飼育される豚の日本脳炎ウイルスの抗体価が高い年は人にもその流行が予想され、厚生省から流行警報が発せられる仕組みになっています。

最近世間は新型インフルエンザの話題で持ちきりですが、今後豚からさらなるエマージングウイルスが発生しない事を願っています。

5月 ×日(晴 )          

新型インフルエンザ騒動 ②

新型インフルエンザの流行を意識したわけではありませんが、当院の換気システムにはウイルスや花粉を効果的に吸着する医院向けの特殊なフイルターが装着してあります。病院建設の際、明らかに予算オーバーになるけど、単純な消毒だけでは院内感染を防ぎきれないと考えて、あえてこのシステムを導入しました。この医院併用住宅に住むようになってからというもの、以来一度も風邪をひかなくなりました。今では美容外科を中心に、この方式がかなり普及しているとか。

ところで先日建設担当の方と電話でお話しする機会がありましたが、「先見の明がありますね。」とあたかも今回の流行を予見したかのように感心されましたが、これはたまたま、偶然です。

今後病院だけでなく、一般の住宅にもこれと似たシステムが導入されると新型インフルエンザに限らず花粉症など広く病気の予防につながるのではないでしょうか。

5月 ×日(晴 )          

新型インフルエンザ騒動 ①

新型インフルエンザ対策でマスクの啓蒙がなされるのはいいことですが、ついにマスクの在庫が尽きたようで、当院でも新たな購入が難しくなりました。職業柄マスクは必須なので、いまある在庫で当面なんとか凌がねばなりません。最悪の場合、使い捨てマスクを再度ガス滅菌して再生していこうかと考えています。まさか今回のインフルエンザ騒動でこんな影響を受けるとは予想だにしませんでした。

5月 ×日(曇 )          

キャバリアを飼っているせいか、TVにキャバリアが出ていると、ついつられて最後まで見てしまう。今日も12チャンネルの番組にロダン宇治原君が愛犬のキャバリア(=華ちゃん)と一緒に出演していました。
そういえば、ひと月くらい前には、あの元総理の孫であるDAIGOがキャバリアのリリーちゃんと出ていたっけ。もしかしてキャバリアは今ひそかなブームを迎えているのかも!?

5月 ×日(晴 )          

ゴールデンウィークもおわり、今日ようやく一息つけました。今年のGWも例年と変わらず、とても忙しかった・・・。事故あり、怪我あり、病気あり、なんでもありの10日間。しかも最後にやってきたのはワンコの熱中症。クルマの中にワンコを置いて買い物に熱中していたみたい。来院したときにはすでに時遅く、すでに硬直が始まっていました。こんな最期は本当にかわいそう・・・。
日陰に駐車しても、5月の車内はサウナ状態になります。車内に愛犬を放置しないで!

4月 ×日(晴 )          

みなさん、進行性網膜萎縮(P.R.A)という病気をご存知ですか?これは徐々に進行してワンコの視力を蝕む怖い病気。今までは一部のM.ダックスフントとラブラドールに好発するといわれていましたが、最近立て続けに他の犬種でこの疾患を見ました。

かつて北海道の某盲導犬育成センターの仔犬に多発して以降、、盲導犬育成機関では盲導犬を選抜する際の必須検査項目に眼底の検査を入れています。当初訓練を終えた盲導犬がいよいよ実社会にデビューする段階になって視力障害を生じ、大きな社会問題になった事がありました。

なんとなく視力が衰えたようだ、物によくぶつかる、散歩を嫌がる、といった傾向を認める場合は、病院での検査をおすすめします。P.R.A.は原因不明の疾患だけに予後は予断を許しませんが、中には治療に反応するワンコもいますので、早期診断は意義があります。

なお、確定診断には眼底検査が必要です。必ずしも全ての動物病院に眼底を観察する倒像鏡や眼底カメラがあるわけではありませんから、事前に病院にお確かめの上受診されると良いと思います。

4月 ×日(晴 )          

先週に引き続き、本日も東大の動物医療センター(外科)に紹介状を書きました。私が東大病院を紹介するケースで多いのは、悪性腫瘍、頭頚部の神経疾患、そして自己免疫性疾患。

ここ数年で飼い主さんの病気に対する意識がかなりかわってきた気がします。以前よりも、「たとえ治らない病気であっても、出来るだけの事はしてあげたい」、「その病気をよく知ったうえで、飼い主として何ができるのか自分なりに考えたい」、といった治療に際し明確な意思を持つ人が確実に増えています。

こうなると飼い主さんのご要望に応えるべく、大学に紹介する症例も必然的に増えて、そのせいで東大も診療が超過密化、ここ2年くらいは、懇意の先生がいるとはいえ、なかなか予約fが取りにくくなりました。とはいえ私が自信をもって紹介できる2次診療機関は現状ではここだけなので、今の診療体制からあと週1日だけでも診療日を増やしてもらえるとありがたいと思う今日この頃です。

3月 ×日(曇 )          

きょうはトイプードルのペーター(♂、1才4ケ月齢)がやってきた。飼い主さんいわく、「数ヶ月前から歩き方がヘンだったけど、様子をみてきた」とのこと。診察台で後肢をみると、なんと典型的なエックス脚(=つま先の外転)です。案の定、触診では膝蓋骨(=ひざの関節の皿状の骨)の外側への恒久的な脱臼が確認されました。

一般に小型犬では膝蓋骨は内側に脱臼することが多く(90%)、外側への脱臼はまれ(10%)。ただ、内側への脱臼であろうが、外側への脱臼であろうが、放置しておくと膝だけの問題では済まず、まず間違いなく肢全体に力学的な歪み(=肢の変形、すなわちアライアメントの異常)を生じます。ほんとうは異常に気付いた早い段階で手術による矯正がベストなんですが・・・。

ここまできた以上獣医師としてベストを尽くすのみ。ペーター君、必ず治してあげよう!

3月 ×日(曇 )          

しばらく休止しておりましたサイバー診察室を復活致しました。復活の理由はいくつかありますが、一番の理由は治療方法の進歩。ここ2年くらいで老齢性疾患の代表である心不全や関節炎、腎不全などは新たな見解や新薬が見出され、病気によっては従来の治療方法が必ずしも最新・最良の処置とはいえなくなりました。

その一方で、飼い主さんがそのような最新情報に接する機会は極めて限られており、またネット上に氾濫する情報も獣医師の目で眺めてみると、現状では玉石混交といったところでしょうか。

もちろんメールでの相談は限られた情報だけであり、実際に診察してみないことには判断できない事も多く、はたしてどれだけ飼い主さんのお役に立てるかわかりませんが、愛する動物の治療をすすめて行く上で、「サイバー診察室」がわずかでも参考になれば幸いです。

2月 ×日(雪 )          

今日はお昼休みを使って往診に行きました。普段は診療を終えてから出かけることにしていますが、雪の季節で、しかも夜間の往診は路面が凍結してかなり怖いので、特別な事情がない限り昼に往診です。

本当なら往診先の道路事情を考慮して4駆でいけばよかったのですが、うちの周辺ではほとんどの雪が溶けてなくなっていたので、とりあえずスタッフを乗せてFR車で出発進行!雪道対策として新品のスタッドレスを履いているので至って順調。というか、ここまでは順調でした。

往診先での仕事を無事に終え、クルマに戻ってみると、あれっ、雪が結構積もっている。しかも別荘地ですから、駐車場にはゆるい傾斜があります。う~ん、なんだかいやな予感・・・。案の定クルマを動かそうとしたら後輪がスタックしてしまい、どうにも発進出来ない状況。ミシュランの真新しいスタッドレスタイヤを4本履いていても、FR車で路面が完全に凍結したら、まったく歯が立たないんですね~。仕方がないのでJAFに連絡して事なきを得ましたが、やっぱり雪道はヘビーな4駆に限ります。以後雪の往診は4駆のみにしようと思う。