1月 ×日(晴 )          

TVニュースを見ていたら、なんと「美容外科のしわ取り用のヒアルロン酸をインターネットで購入し、自分で自分の顔に注射して、シコリができた」という事故の報道。これにはビックリ!というよりあきれました。

いくらシワを取りたいからといっても、自己注射はまずいだろう。形成外科医の仕事だろ。そもそも皮下注射は典型的な医療行為。これを素人が行なうなんて無謀にもほどがあります。職業柄ワンコやニャンコに皮下注射をうつことが多い私でも、注射時には細心の注意を払って行なっています。不用意な注射は筋膜炎を起こしかねませんから。リスクを承知しているだけに、医師でない以上自分の体には出来ないし、まして己の顔に針を立てるなんて、まったく想像すら出来なかった・・・。

おそらくシコリが出来たのは、素人だけにヒアルロン酸が皮下に入らなかったか、あるいは皮内に漏れた事が原因だと想像しましたが、そもそもリスクを犯してまでシワを取ることにどれだけの意義があるのか、男の私には理解に苦しむところです。

ところで最近米国でまつげを密生させて、しかも長くする薬剤が開発されました。「開発」といっても、じつは緑内障の治療薬開発の過程で副次的に見出された効能。すでに米国内の美容外科業界がアツいアツい視線を送っているとか。そのうち日本にも入ってくるのかな?事故が起こらなければいいけど・・・。

1月 ×日(晴 )          

河北新報社の報道によれば、東北各県での獣医師不足が深刻とか。といっても動物病院の話ではなく、行政に携わる獣医師、すなわち公務員の話。

ここ数年来新卒の獣医師は70%以上が動物病院志望しており、実際60%は動物病院に就職するため、東北各県の職員として食品衛生や食肉検査に携わる獣医師が常に定員割れで、深刻な状況下にあるという。とくに食肉検査などのハードな勤務は敬遠されがちとか。大学によっては、公務員を志望する獣医師が1割を切ったという話も聞きます。

その一方で近年富に増え続けているのが愛玩動物の臨床に携わる獣医師。医師の偏在が大きな社会問題になって久しいようですが、獣医師の世界でもすでに地殻変動がおこっております。獣医師の偏在という今回東北各県で顕在化した問題は、やがて全国的な問題へと広がりを見せることでしょう。大変な世の中です。

1月 ×日(晴 )          

TV報道によれば、外人さんのマナー違反から一時休止していた築地市場の見学を再開したとか。喜ばしいことです。市場の雰囲気にはある種独特のものがありますからね~(^・^)。

私も学生時代、築地市場と北部市場(川崎市)によく通いました。といっても買出しではなく、あくまで検体採取(=腸内細菌の採取)が目的。とくに大量に仕入れたのはマコガレイ・コノシロ(コハダ)・セイゴ(スズキ)・イワシの4種類。当時は検体の採取という本来の目的をあらわにするといやな顔をされることもあって、あくまで「すし屋の大将の代理」みたいな顔をして朝の4時から市場を闊歩していました。

検体購入後は鮮度の高いうちに研究室でさばくわけですが、検体として使う部分は消化管のみ、本来のおいしい身の部分は全く必要ありません。かといって、捨てるにはもったいない・・・。そこで身の部分はいつも研究室の同級生や先生方に焼いたり煮付けたりして出していました。

これが意外に好評!研究室から予算を頂いているだけに、隣近所の研究室まで出向いて出張料理教室までこなし、そりゃ大判振る舞いでした。基本的にセイゴなどの高級魚は教授・助教授・講師までで、安いイワシは後輩中心に出していました(^_^)。こんな生活をしばらく続けていたら、なんと白いごはんを炊いてホイホイ出迎えてくれるツワモノ(=同級生)まで現れました。

ただ、イワシだけは安くて箱単位でしか購入できず、大漁(?)すぎて捌き切れなくて困りました。1箱20匹くらいは入っているんですが、実際に使うのは数匹程度。市場には平均週2回出撃してその都度ゲットするわけで、月によっては100匹以上余ってしまうのです。さすがの私も料理しきれない・・・。そのため研究室の冷蔵庫があっという間にイワシだらけ。当時助手のT先生には、二言目には、「おい、菊池、冷蔵庫なんとかしてくれ!」と言われたものです。

その一方で、海がシケて、セイゴなんてぜんぜん獲れないときもあって参りました(>_<)。そんな時魚病学のS先生に相談すると、きまって、 「1年くらい船に乗っちゃいなよ。海はいいもんだよ~。」 と涼しい顔してのたまうのです。 学生ですからいくら時間に余裕があるといったって、卒業を控えて、おまけに国家試験まで控えている私には到底無理(@_@;)。 ちなみにS先生は魚類生理学の専門家で、なんと検体採取(魚の眼球と自律神経の研究)のために数年間漁船に乗せてもらった経験者。最初は冗談と思っていましたが、く話してみると意外や意外の本気印。さすがS先生、スケールが違うと心底感心したものです。 その後S先生は魚類生理学の第一人者となられ、今は名古屋大学大学院教授。やっぱりS先生はスケールが違う。今期ノーベル賞を受賞されたオワンクラゲの下村先生にも通じるところがありそうなのだ。

1月 ×日(雪 )          

今年に入って、ようやく本格的に雪が降りました。ほぼ1年ぶりに雪かき開始。

雪かきは見た目以上にハードな労働ですが、それだけに筋力トレーニングと減量にはもってこい。

とはいえ、例年に比べたら雪の量が少なくてトレーニングにならないのだ。昨年末から通い始めた「デイフィット」(=軽井沢にもようやく出来たんです!)に出かけて、肉体を磨こうと思う。

1月 ×日(晴 )          

新年早々にしてグレートテン(70kg)、セントバーナード(68kg)、ニューファン(55kg)といった超大型犬の診療が続きました。

不思議なもので、その年の最初の数日間の診療が、その後の1年間の診療傾向を予感させることが多いので、2009年の当院は超大型犬の診療が例年以上に増えるのかなあ?

2009年 1月 08日(晴 )          

あけましておめでとうございます!\(~o~)/

今年の初詣は上田市の信濃国・国分寺に行きました。毎年1月7日の夜から翌8日昼まで開催される八日堂縁日では蘇民将来符というありがたいコケシ状の御守りがいただけます。

「蘇民将来」の故事は日本中に伝わっていますが、ドロヤナギから切り出したコケシ状の御守りを授けているところは非常に珍しく、それだけに全国からこれを求めて参拝する人も多いとか。

12月 28日(晴 )          

いよいよ今年も残すところあと3日となりました!

普段休診日といっても入院患者のいない日はほとんどありませんから、来る年末年始のお休みのみが、ワタシの実質的な安息日。わずか数日間だけとはいえ、診療や手術の緊張から解き放たれるのは実に爽快。本当にウレシイのだ。

みなさん、よいお年をお迎えください!(*^_^*)

12月 ×日(晴 )          

きょうは夜9時から2件往診に行きました。夏場の往診と異なり冬の往診は路面が凍結していて、けっこう怖い。(>_<) でもね、怖いだけじゃないんです。夜の別荘地は野生動物の宝庫で、往診の往きや帰りには決まってウサギやキツネ、たぬき、テンからリスに至るまで、多種多様な動物を目にします。こんな時はちょっとトクした気分。 また星空も寒い冬の夜に限ってとってもクリア、宇宙の神秘を体験できますし、運がよければ肉眼で地球を周回する宇宙船を確認出来ます。 最近は別荘に定住する人が増えていると言われていますが、冬の軽井沢には、また夏とは違った良さがあるんだなあ~、と実感。

12月 25日(晴 )          

ギブリちゃんの飼い主さんから看板犬のりーちゃんとるーちゃんに素敵なプレゼントが届きました!美味しそうなわんこ向けミートローフなのだ。本来楽天市場で販売しているだけあって、絶品!わんこ向けとはいえ、原材料は人間用ですからワタシが食べてもいいんだけど、りーちゃんとるーちゃんにあげました。

ギブリちゃんママ、ありがとう!!!(りー&るーより)

12月 ×日(雨 )          

Sさんより、クリスマス・カードが届きました。しかも私どもだけでなく、スタッフ一同にも忘れずにカードを送ってきださり、本当にありがたいのだ!\(~o~)/

Sさん今は仕事の関係で米国在住ですが、以前軽井沢におられた際は、愛犬のトリミングや病気の治療で当院に通院しており、それ以来の長~いお付き合いになります。(^・^)

今から5年前、Sさんの愛犬チャーリー君(アフガンハウンド)が夜中の12時頃胃捻転をおこしたことがあります。当然緊急手術をするしか助かるすべはありませんが、もちろん夜中ですから看護士はいません。その時、飼い主さん自ら看護士役となって夜中の1時から朝の3時まで、手術の補助をしてくださいました。おかげで手術は大成功!7日の入院を経て無事退院。
Sさんは愛犬家の鑑だと思いました。