12月 25日(晴 )          

ギブリちゃんの飼い主さんから看板犬のりーちゃんとるーちゃんに素敵なプレゼントが届きました!美味しそうなわんこ向けミートローフなのだ。本来楽天市場で販売しているだけあって、絶品!わんこ向けとはいえ、原材料は人間用ですからワタシが食べてもいいんだけど、りーちゃんとるーちゃんにあげました。

ギブリちゃんママ、ありがとう!!!(りー&るーより)

12月 ×日(雨 )          

Sさんより、クリスマス・カードが届きました。しかも私どもだけでなく、スタッフ一同にも忘れずにカードを送ってきださり、本当にありがたいのだ!\(~o~)/

Sさん今は仕事の関係で米国在住ですが、以前軽井沢におられた際は、愛犬のトリミングや病気の治療で当院に通院しており、それ以来の長~いお付き合いになります。(^・^)

今から5年前、Sさんの愛犬チャーリー君(アフガンハウンド)が夜中の12時頃胃捻転をおこしたことがあります。当然緊急手術をするしか助かるすべはありませんが、もちろん夜中ですから看護士はいません。その時、飼い主さん自ら看護士役となって夜中の1時から朝の3時まで、手術の補助をしてくださいました。おかげで手術は大成功!7日の入院を経て無事退院。
Sさんは愛犬家の鑑だと思いました。

12月 ×日(雨 )          

HPを運営しているといろんなところからいろんなメールを貰います。今日も大学時代親しくしていただいた先生より、

「菊池くんって、あの菊池くんなの?」

という、どう応えていいのかわからないつぶやきメールを頂きました。
「はい、あの菊池です」

と私もReメール。

この先生は、趣味人が多い獣医学部のなかでもグンを抜いた存在で、ギターシンセサイザーの名手。ジャズからハードロックまでこなす玄人で、かつて大学での年間講義回数(当時講師を勤めていました)よりもライブハウスでの年間演奏回数のほうがはるかに多かったという伝説の獣医師。わたしもたびたびチケットもらって、池袋のライブハウスに通いました。

子供の頃からギターは得意だったようですが、ロンドン大学留学でさらに磨きがかかったとか。ちなみにロンドン大学では獣医学にこだわらず、応用昆虫学で学位を得たとのこと。

さまざまな才能に恵まれ、今もわが道を邁進している先生が羨ましい。

12月 ×日(晴 )          

年末のせいか、毎年この時期は慈善団体等からの寄付の要請が多くなります。善意の団体には私もそれなりに対応していますが、今回はこれらにまじって某国立大学から付属動物病院の施設拡充に伴う寄付のお願いが入っていてビックリしました。これがけっこういい金額!(@_@;)

国立病院といえども昨今の独立行政法人化によって、運営が難しくなっているようです。付属病院は診療だけでなく研究機関・教育機関という重要な側面もありますから、お金がかかるのは仕方がないのかもしれません。聞けば、年間維持費だけで数千万円もする研究用機器がゴロゴロしているとか。しかも臨床系に限らずむしろ基礎医学系の教室にこれらの器械が多くあったりするそうで、またまたびっくり!

さらに、今回高額の寄付をした個人または団体の代表者は、大学総長主催の記念感謝パーティーにご招待のうえ、講堂に記念のプレートを刻むというので、もっとビックリ!そのお金を研究費や病院維持費に回したほうがいいんじゃないのでしょうか?

12月 ×日(雨 )          

獣医学雑誌をパラパラめくって、興味のあるところを読んでいたら同級生Fさんの論文を見つけました。ほう、なかなか面白い内容だな~、なんて感心しながらもう一度トップページに戻って見直すと、なんと彼女の肩書、外科の准教授になっていました。

そういえば彼女、確かにパワフルな人だったなあ、と過日を思い出しました。良い意味での男勝り。私の学年は「獣医の当り年」みたいで、30代半ばで教授や准教授まで出世した人が多いのですが、女性でここまで駆け上がったのは彼女のみ。基礎医学系はともかく外科系で女性が獣医学部准教授を勤めるのは、おそらく日本初ではないでしょうか。快挙ですね。

12月 ×日(曇 )          

久しぶりに都内で開業している同級生から電話がかかってきた。お世話になったK教授(私がご指導いただいたころは助教授)がいよいよ来年3月をもって定年を迎えられるので、かつての研究室仲間でパーっと景気よくお祝いのパーティーしたいな~、という相談。いいですね~。私お酒は弱いけど、お祝い事は大好き!(*^_^*)

K先生には在学中いろいろお世話になりました。K先生は病理学者にして統計学者というスゴ腕の教授。しかも顔が漫画「こち亀(=こちら亀有公園前派出所だっけ)」の主人公、警察官の両津カン吉(あの麻生総理も大ファンとか!)にそっくりなのである。当然左右の眉毛はつながって太い一本線である。もちろん葛飾区出身。真面目な講義の最中に時折マニアックなギャグを言って皆を笑わせつつも、学生の集中力を削がないので、学生に大人気の先生でした。定年とはいえ、引退は本当に残念です。(>_<) そういえば、かつて研究室で夜食のカップラーメンを食べていると、こんなことがありました・・・。 K先生:「おい、菊池、160円貸してくれ!」 私:「え!、いったいどうされたんですか!?」 K 先生:「財布がない。」 私:「え!、また紛失されたんですか?」 K先生:「う~ん、落としたかもしれんが、ウチに忘れたかも。」 私:「私も一緒に探しましょうか?」 K先生:「いや、たいして入ってなかった気がするからいい。ただ上溝のウチに帰るまでのバス代ないから貸してくれ、160円!」 私:「かしこまりました。160億円ですね。(笑)」 いまでは懐かしい思い出です。

12月 ×日(曇 )          

今日はマルちゃんの飼い主さんが、1年ぶりにわざわざ安曇野よりいらして下さいました。実はマルちゃん、1年前に亡くなってしまいましたが、ここにきてようやくご家族全員精神的に立ち直れて”気持ちの整理がつきました”、とのこと。
マルちゃんは賢くてとってもかわいいヨーキーだったので私にも一層の思い入れがあり、ひとしきり時間の経つのも忘れてマルちゃん談義にハナが咲きました。

かわいいワンコやニャンコの死によって飼い主さんと疎遠になることもありますが、その一方で、ともに病に立ち向かうという共闘意識の高まりから、その後もお付き合いが続く事が最近はとても多いです。それだけワンコやニャンコが単にペットというよりは、むしろ理屈抜きで人生に潤いをもたらすかけがえのない家族のとして強く認識されている証なのでしょう。良い事ですね。

12月 ×日(晴 )          

今月から病院前の道路工事が始まり、来院される方々にはご迷惑をおかけしております。
これは軽井沢町による大賀通りの改修工事であり、軽井沢町をより魅力的にするためのモデル事業として行なわれるもの。工期終了は来年3月です。ご不便かけますがもうしばらくお待ちください。

12月 15日(晴 )          

今日は先日入籍したOさんのお祝い昼食会。スタッフ全員(6名)参加です。会場はエクシブ軽井沢の中華「翠陽」。お店の側が気を利かせてくれて、個室を用意してくれました。

 前菜

普段仕事以外の話はしないので、久しぶりに身近な話で盛り上がり、とっても楽しかった~~~。(*^_^*)

昨年のMさん、今回のOさんと結婚するスタッフが2年続きましたが、
みんな当院の労働環境を気に入ってくれて、結婚後も仕事を続けてくれるので、私も助かります。
みんな、本当にありがとう!

ところで時々飼い主さんから、「先生の病院のスタッフはみんな美人ぞろいですが、採用に際しては顔を重視するんですか?」という冗談とも本気とも判断しかねる質問を受けることがあります。たしかにみんな可愛い子たちです。でも採用はもちろん能力・性格・経験重視であって、顔が全て、なんて絶対ありません。^_^;

12月 ×日(雪 )          

臨床経験を積むということは不思議なもので、20年近く同じ仕事を繰り返していると、ある種のカン(=第6感)が働くようになります。なかなかコトバに出して表現するのは難しいので、私の感じるままに幾つか体験談をお話し致します。

①顔色から病状がわかる

人間なら当たり前の話ですが、犬や猫の顔色ってあるの・・・そう思われるのは当然ですが、私に言わせれば明らかにあります。そもそもヒトの顔も動物(犬猫)の顔もその大半は内臓筋由来の表情筋ですから、顔を見ることは内臓を観察することと同義です。大学時代内科の教授がよく言われていた「内科診断の基本は視診・触診・聴診」の意味がいまごろ良~くわかるのだ。

②術前に正確な麻酔投与量がわかる

麻酔は危険を伴う医療行為で、ヒトのような麻酔専門医が存在しない獣医師の世界では、安全確実な麻酔手技は臨床医に絶対不可欠なもの。術前に体重や年齢、全身の状態、既往歴を考慮しつつ計算から決める事が習いになっていますが、動物に不要な興奮や不安を与えることなく円滑に導入することは意外と難しい。大学時代は計算値だけでは足りなくて興奮させてしまったり、過量から心室性不整脈を誘発したりと苦労しました。以来安全確実な麻酔導入をライフワークにしてきたせいか、今日も仕事は絶好調!最近は動物も麻酔導入時はかなり気持ちいいんじゃないか、と思ったりします。(^_^)v

かつて外科のW教授(いまでは麻布大学の名誉教授かな)に動物実習のあと麻酔のコツをしつこく聞いたことがありました(生意気な学生でゴメンナサイ!)。そのときの先生の言われたひと言はきわめて衝撃的!
「Dog per face!」・・・体重や検査データや既往歴に留意するのは当たり前、そのときのワンコの顔色をみて最終的な投与量を判断しなさい・・・。
この薀蓄が私もわかるようになりました。今度若尾先生に学会でお会いしたら昔話に花を咲かせたい!

③ノラネコの性別がわかる
長く行動を観察していればわかるのは当然ともいえますが、これは瞬間的な話。ポイントは歩き方にあります。♂猫には♂猫の歩き方があり、♀猫には♀猫特有の歩き方があります。
かつて代診していた頃、都内で開業している大先輩にこの話をはじめて聞いた時、”なんだかいいかげんなことを言っているなあ~、”と思いながら、適当に受け流していました。

当時は、「つまるところ動物はコトバを使えないわけで、どんなちいさな変化も獣医師側は見逃すな!」という戒めの言葉と勝手に解釈していましたが、最近は公園などの地域猫を一目見ただけで、まず性別は正確に判断出来ます。
文字どおり、一瞥で猫の性別がわかる、経験とはそんなものです。