3月×日(霧)        

いま抗ウイルス薬(=インフルエンザ治療薬)として問題のタミフル。実は獣医療でもちょっとした話題になっていて、一部報道によれば、これがパルボウイルス感染症に非常に効果があるという(学会報告あり)。ただし、一方ではまったく効果が確認出来なかったという臨床例もあり、未だに結論に至っていない状態。そもそも検定出来るほどの症例数がまだ集まっていないのが現状なんでしょう。今後どうなるのか大いに興味のあるところですが、私個人としてはかなり懐疑的にみています。

3月×日(曇)        

先日この日誌に興味深い学会に参加したと書いたら、複数の方から「興味深い学会ってなんですか?」と尋ねられたので、今回はこれについて述べてみます。

私が常日頃心がけていること、それは「救急救命技術の向上」です。改めて言うまでもなく、これは臨床にたずさわる獣医師であれば避けて通ることの出来ない大切な手技です。緊急時には夜であろうと、休憩時であろうと、どんなに疲れていようと、傍観者でいることは許されません。まして臨床家として現場で働く限り、その時、その限られた瞬間に自己のベストを尽くすのは当然。であるがゆえに、私はこのような状況下においても自らの能力を100%出し尽くすべく、あの時こうしていれば・・・なんて後悔することがないよう、積極的にラボに参加して技術のブラッシュアップに努めているのです。
一方で、こうした技術は麻酔時のエマージェンシーにも当然応用出来ます。開業以来当院で麻酔事故がゼロなのは慎重な手技、正確な生体モニターに加え、スタッフ一同日頃から様々なエマージェンシーを想定した訓練を繰り返しているためです。
刻々と変化する厳しい状況下でも迷わず適切な判断を下す、そして実際に積極的に体が動く、同時に動揺することなく確実な処置を講ずる等の医療技術は、何度でも繰り返して体得することが大事だと考えています。

3月×日(晴)        

今日は朝から花粉症で辛かった・・・。眼はゴロゴロして異様に痒いし鼻水が朝から止まる気配なし。(>_<) 以前友人の医師から処方され残っていた内服薬アレジオンを飲むとしばらくしておさまってきたけど、暖冬の影響なのか花粉症が始まるのが例年よりも早い感じ。なんとかならないか、スギ花粉!集中力が減退してあ~あ、本も読めないのだ。

3月×日(晴)        

昨年海外からの帰国者に狂犬病が発生して以来、国内の獣医師自身(もちろんヒト用狂犬病ワクチンです)にもワクチンが必要ではないかという議論が獣医師会でなされています。先日私の所属する支部でもこの件が議題となったので改めて自分自身で調べてみると、どうやらわが国の狂犬病ワクチンの備蓄数には問題がある様子。実は有事(国内発生!)の際には自衛隊及び医療関係者に優先的に接種することを前提とした備蓄数であって、そもそも発生時に最前線に立つことが予想される獣医師の分は備蓄に反映されていないらしい。事実その方面に詳しい情報筋によれば、最近医療機関における一般渡航者向け狂犬病ワクチンも底をつき始めているとのこと。やばいな、こりゃ。どうしようかなあ~、、、
獣医師の人権も考えてくれ~ (>_<) すでに一部の先生方は外国人医師が開設する医療機関でワクチンを自主的に接種しているとか。ちなみに国産の狂犬病ワクチンよりも海外製造のワクチンのほうが副作用も少なく安全性が高いとか。

3月×日(晴)        

今日はギブリちゃんママから看板犬のりーちゃんに”おひな祭りパック2007”が届きました。宅急便の宛名もなんと「菊池リシェス様」。美味しそうなマフィンなどたくさん入って、グルメなりーちゃんは「嬉しいワン♪ありがとう!」と満足そうでした。(^O^)/

   2月×日(晴)

興味深い学会(JAHA主催)があったので大阪まで行ってきました。講師はコロラド州立大学獣医学部の準教授であり、かつ救急救命のスペシャリスト。講義はもちろん実技も大変充実しており、「遠路はるばる参加してよかったなー」、と思いました。
でもさすがに軽井沢~大阪間(約1000km)をクルマで往復するのは疲れました。昨年11月に大阪で開催された学会出席の際には新幹線でしたが、やっぱり大阪までの長距離の移動は新幹線がラクかも。
ところで講師の先生はフィアンセとともに来日しており、実習にはフィアンセも参加していました(もちろん獣医師)。ちなみにご主人は小動物(犬や猫)が専門ですが、なんとフィアンセは大動物(馬や牛)が専門とか。逆のパターンなら日本でもお目にかかりますが、さすが米国、体力勝負の大動物の世界でも女性が活躍しているんですね。

2月 ×日 (晴のち雪 のち晴)    

今日は休診日。久々に入院している子も預かりの子もいません。「そういえばもらったチケットがあったっけ。」と思い出し、急遽スキーに行くことにしました。当院からプリンススキー場までは車でわずか5分!思い立ってから30分後には、もうリフトに乗っていました。ゲレンデからは浅間山や八ヶ岳、北アルプスまで見えて気分爽快です。
ちなみにゲレンデの至る所から当院が見えます。
そして当院2階の自宅リビングからはゲレンデが見えます。
一番よく見えるスラロームバーンゲレンデから、家でお留守番しているりーちゃん(もちろん代理の人間ですが)に電話をすると、お互いがちゃんと確認できるのです!
これってちょっと楽しいです。

1月 27日(晴)

今日明日は軽井沢の氷祭りなのだ。夕方からは毎年恒例たいまつ滑走と冬花火大会がありました。プリンススキー場のゲレンデには、たいまつ(でも去年あたりから本物の火ではなくなったみたい。煙も出ないし、色も何色もあるから。)を持ったスキーヤーが、何十人も一斉に滑走します。途中からは2方向に分かれて滑るので下から見ていると大変キレイ。冬花火大会は矢ケ崎公園で開催されますが、空気が澄んでいてこれまた大変キレイ。夏に同公園で行われる花火大会は何故か天気に恵まれないことが多いので、個人的にはこの冬花火大会がおすすめ。
ちなみに当院看板犬りーちゃんは花火の音にもまったく動じず、グーグー寝ていました。大物です。

   1月 ×日(曇)

今日は佐久市岩村田にある”エビス茶屋”に行ってきた。知る人ぞ知る美味しいお好み焼きの店であり、関西出身の知人にして「本場大阪以上に大阪的」と言わしめた超極上の味付け。しかも”お手ごろ価格”とはうれしいじゃありませんか!!!適度に店内が雑然(!)としているのもいいし、お客さんがジャージ姿でわいわい食べているのもとってもいいですね。ご主人とても親切なのでまた行こうかな。

   1月 ×日(曇)

「肉を切らせて骨を断つ」ということわざがありますが、実は「骨だけ切って肉は切らない(切れない)」という外科用ノコギリがあります。不思議でしょ?私は膝の手術などではこれを日常的に使いますが、意外なことにこちらが考えるほど複雑なつくりではなく、振動波を応用したわりと単純な構造。元来ヒトの口腔外科用なだけに意外なほど小型。使うたびにいつも思うのですが、この発想が独創的でじつに素晴らしい。現在日本国内では医療機器には特許は認められませんが、一方米国では申請を受けてこれを特許として認めているそうです。う~~ん、ニッポンの製造業、さすがです。