皆様から届いたご相談から掲載しています。
A20.首の皮下に発情抑制剤(人工的なホルモン物質)のペレットを埋没させておくと1年から1.5年くらいは確実に発情を抑制できます。子犬を生ませたい時期にはこれを外科的に除きます。また、短期的にはホルモン剤の注射も適用できるかも。詳しくは最寄の動物病院にお問い合わせください。
A19.皮膚病は実際に見てみないことにはなんとも言えません。もちろんストレスで毛が抜けることはあります(多くは抜毛)。
今回相談のような10円玉状にまるく毛がぬける状態は、臨床では一般にリングワームと呼ばれ、カビ(いわゆる水虫)の感染に特徴的とされています。
水虫であれば家族にも感染する可能性がありますから、注意が必要ですね。
A18.競争馬の場合、骨折のほとんどが、丸い形をした手根骨の粉砕骨折です。したがって骨が細かく砕く散ってしまい、これらをつなぎ合わせることは技術的にかなり困難です。また仮に何とか手術で整復できたとしても、馬は人のように寝て養生できませんし、どうにか寝かせたばあいには今度は床ずれが出来、最悪のケースでは敗血症に移行するかもしれません。競走馬に限らず、生き物に必要以上の苦しみを与えないためには、悲しいけれど安楽死も選択肢のなかに入れておくべきなのかも。(+_+)
A17.とりあえず大学の獣医学部獣医学科あるいは農学部獣医学科に入学してなんとか卒業すればいいと思います。現在国立10校・公立1校・私立5校ありますが、いずれも医学部や歯学部同様6年制一貫教育なのでちょっと長いかな?ただ、ライオンやゾウやコモドオオトカゲの解剖が経験できるし、時折乗馬の練習にやってくる芸能人(ぼくは沢口靖子と握手しました)にも会えちゃいますから結構楽しいですよ。
A16.もちろん動物にもアレルギー疾患はあります。
原因物質には大きく分けて
(1)アウトドアの花粉等 (2)インドアのハウスダストやノミなど
(3)牛肉や豚肉などの食物 (4)カビなどの胞子
の4つのグループがあります。
全身を痒がる、あるいは脱毛がひどい、血便をするなどの諸症状が認められる場合、アレルギー疾患の可能性がきわめて高いので、その際は動物病院で積極的に原因物質を検索してもらい、アレルゲンを確認しておくと良いでしょう。
A15.正確な統計はないしょうが、平均4から6頭くらいではないでしょうか。ただし、品種によるバラツキもあり、今回相談のビーグルやラブラドールでは1回のお産で平均7から10頭前後生みます。一方プードルやポメラニアンやシーズーでは4頭以下が普通です。
ところで、当院では先ごろウエルシュコーギーが帝王切開で、1回に11頭の子犬を生みました。もちろん犬といえども乳房はこんなにたくさんありませんから、母犬はもちろん飼い主さんも育てるのは大変です!
A14.椎間板ヘルニアの兆候かもしれません。ヘルニアによって腰椎の神経が圧迫を受けると、後ろ足がもつれたり排尿が障害を生じたりと、さまざまな神経症状が出てきます。特にミニチュアダックスは椎間板ヘルニアの好発品種ですから、この疾患の可能性は大きいと判断せざるをえません。
一般に、明らかな麻痺が現れた場合には24時間以内(出来れば12時間以内)に減圧手術をしないと後遺症が残るといわれています。もしもに備えて早急に病院を受診されることをおすすめします。
A13.まず、精巣に熱感があるかどうか確認してください。熱感がなければ腫瘍の疑いが、逆に熱感があれば精巣炎の可能性があります。今回相談のケースではどうやら痛みを伴うことがないようなので、腫瘍と思われます。個人的にはセルトリ細胞腫のような気がしますが、とりあえず近くの動物病院で病理検査をしてください。治療はその結果次第です。
A12.エキノコッカスは通常キタキツネの小腸に寄生していますが、なにかの機会にキタキツネに触れたり、あるいはその糞便などで汚染された水や生野菜を介してイヌやヒトが感染します。したがって、キタキツネに近づかない、川や湿原の水を飲まない等が予防には有効ですが、イヌには難しいかも。聞くところによれば、最近はキタキツネも人里近くまでやってくるようなので、心配ならば動物病院に検査を依頼してはいかがでしょうか?
なお、エキノコッカス(多包条虫)はきわめて危険な寄生虫であり、旭川市の某動物園はこの寄生虫に侵された雄のローランドゴリラが肝炎で死亡し、事態を重視した自治体の判断で閉園に追いこまれています。
A11.フィラリア予防を実施しているのでしょうか?予防をしていなかったり予防が不十分な場合にはフィラリアによる心不全で散歩途中で倒れることがあります。 一方、心臓にトラブルがないときにはてんかんなども考えられます。とくにアイリッシュセッターには先天的な小脳の形成不全があり、てんかんの頻発品種であることを考慮する必要もあります。また、典型的なてんかんでは、発作の直前に急によそよそしくなったり、舌なめずりをしたり独特の行動様式を示すこともあります。 いずれにしましても、動物病院での精査をおすすめします。 |