皆様から届いたご相談から掲載しています。

Q10.うちの愛犬(柴犬、2歳)の肛門付近が切れて出血していますが、もしかして痔でしょうか?本人(本犬かな?)も恥ずかしいらしく、かなり気にしているようですが・・・。

A10.基本的に、動物には痔はありません。そもそも痔はヒトが重力に逆らって4本足の歩行から2本足の歩行に移行したからこそ生じた病態です。
今回の場合、肛門腺というニオイづけの腺が破れて出血していることが考えられます。もちろんヒトにはこれはありませんが、スカンクのおしりのにおい袋を小さくしたものとでもいえば想像できますか?肛門を時計にみたてた場合、肛門腺は4時と8時の方向にありますので、一応位置も確認したほうがよさそうです。肛門腺の破裂を防ぐには、定期的に圧迫して絞るようにしてください。
なお肛門周囲に腫瘍ができ、これがもとで出血したりすることもままありますが、この柴犬はまだまだ若いので、その可能性は低いと思います。

Q9.6才の犬と8才の猫を飼っていますが、最近ともに口臭がひどくて困っています。効果的な治療方法があったら教えてください。

A9.まず最初に、動物病院に歯石の除去を依頼してください。歯石がもとで口腔内に雑菌が繁殖して悪臭を発している可能性があります。最近はいろいろなお店でペット用ハブラシを扱っているようですから、もし歯磨きが習慣化できるならばさらに良いと思いますが、子犬や子猫のころから慣らしておかないと現実問題としてはちょっと厳しいかな?
なお、口臭といっても悪臭ではなく有機溶媒のような独特のニオイ(アセトン臭)がしたら糖尿病の可能性もあるので要注意!

Q8.プレーリードッグを飼っていますが、先日のニュースの中で、ペストに感染したプレーリードッグが発見されたとの報道があり、ちょっと心配です。

A8.プレーリードッグに限らず最近はフェレットやジャンガリアンハムスターなどのエキゾチックアニマルがペットとしてもてはやされています。さまざまな動物と触れ合える今日の社会環境、それはそれですばらしいのですが、これらの小型哺乳類はもともと海外で生息していたもので、輸入などにより国内に病気を持ち込む可能性があります。しかしやみくもに恐れる必要もありません。
普段から衛生的な環境で飼い、時折健康状態をチェック、病気かな?と思ったら、あわてずあせらず近くの動物病院に相談してください。

Q7.犬や猫の平均的な寿命はどのくらいですか?ちなみにうちのタマ(日本猫、雄)は平成元年生まれですから12年になります。

A7.ペットの寿命に関しては正確な統計はおそらくないと思われます。個人的な感触としては、犬猫ともに12から14年くらいではないでしょうか。ただし猫は犬とことなり交通事故等にあう確率が高いので、犬より幾分短い感じもします。
もっとも、病院にくる猫の中には、今年で22年目というツワモノもいますが、あくまで例外的。愛猫のタマも高齢には違いありませんから、これからも大事に飼ってくださいね。

Q6.犬は色盲だといわれてますが、本当ですか?つい最近も盲導犬が信号機をみて安全に横断歩道を渡っているのを見ましたが?

A6.正確な表現ではありません。1991年頃の日本医事新報に掲載された眼科専門医(確か日本医科大学の先生だったと思います)の論文によれば、犬は赤系統の色の認識が不十分ではあるものの、その他の色彩に関してはある程度判別できるようです。霜降りの牛肉やトロの赤みに喜んでいるのは、実は人間だけかもしれませんね。
なお、盲導犬の件ですが、この場合犬は信号機の色ではなく、横断歩道のヒトの動きで渡れるか否かを判断しています。
P.S.最近になって、犬の色彩判別能力に関して麻布大学のT教授が興味深い研究結果を発表しています。詳細は後日のおたのしみとしましょう。

Q5.動物病院で診てくれる動物の種類について、具体的に教えてください。

A5.病院によって違うと思います。
日常的に診療しているものは犬、猫、小鳥、ウサギ、ハムスターくらいではないでしょうか。最近は爬虫類やフェレット等の診療にかなり力を入れている病院もあるようですから、受診の際は直接動物病院に電話をして確認したほうがいいかもしれません。

Q4.信頼できる獣医師、あるいは動物病院の見つけ方はありますか?

A4.むずかしい質問です。
現実的な方法としては、①とりあえず、近隣のペットを飼われている方に、どの病院が親切か評判等を尋ねてみる、②実際に受診して、その病院なりスタッフなりの対応を確認するくらいしかありません。
もっとも、飼い主さんと獣医さんの性格や相性もあるでしょうから、もし自分の好みの獣医さんをみつけたら、ペット同様せいぜいかわいがってあげましょう。

Q3.人間の病院と異なり、病院によって診察料や手術料に差があるようですが、受診に際して、もしも目安になるようなものがありましたら教えて下さい。

A3.基本的には、動物病院での診療は自由診療です。したがってその料金体系については獣医師の裁量によるところが大きいには事実です。
ただ、これはあくまで個人的な見解ですが、スタッフや設備や技術の面で充実しているところはやや高めの料金で、一方獣医師が1名のみで設備等に制限のあるところは安めの料金でやっている感じです。
なお、目安になるかどうかわかりませんが、下記に日本獣医師会の調査にもとづく諸料金の全国平均額を概算で表示しましたので、参考にしてください(単位:円)。

初診料:¥1,400再診料:¥1.000
猫の去勢手術:¥19,000~25,000猫の避妊手術:¥29,000~36,000
犬の去勢手術:¥25,000~30,000犬の避妊手術:¥30,000~48,000
2種以上の混合ワクチン:¥9,000通常往診料:¥3,000
犬の1日入院料:¥4.000~5.500猫の1日入院料:¥3,500~5,500
Q2.動物にも糖尿病があると聞きましたが、本当ですか?

A2.たしかに犬と猫には糖尿病があります。草食動物のヤギでも報告はあります。その他の動物については調べてみないとなんともいえません。但し動物の場合は、人間の糖尿病のように食生活が発生に関与することはすくなく、遺伝的要因が大きいようです。

Q1.日本国内では狂犬病は発生していないと聞いてますが、うちの犬はちゃんと毎年注射を受けてます。これってほんとに必要な注射なのですか?

A1.必要な注射です。
たしかに昭和32年以降日本国内での発生はありません。しかし今現在お隣の韓国やロシアはもちろんヨーロッパ、アメリカ等でも発生しています。世界広しといえども発症したら100%死亡する感染症は現在エイズと狂犬病だけです。したがって、世界的にはまだまだ脅威なのです。注射まじめに受けてくださいね。